エンパワーメント(権限委譲)が重要
ノードストロームでは1.ノーハッスル・リターン・ポリシーを実行する
2.顧客と接する従業員が自身で答える
ことにより、顧客満足に結びつけていました。つまり、顧客からの問い合わせに対し、素早く対応し、返品の要求などにも即座に対応することです。
実現するための仕組みとして大切なのが、「エンパワーメント」です。エンパワーメントは、権限委譲と訳されていますが実際はもっと広い意味を持っています。
権限委譲では判断は上司がするのに対して、エンパワーメントは「判断の権限」も従業員に与えます。もちろんそこには上司と従業員に信頼がなければなりません。上司は、自分が顧客との対応に出ていくのではなく、環境を整えることに注力します。
顧客に対する従業員の対応で、間違いが続くのであれば、業務プロセスが悪く改める必要があります。もちろんプロセス改善になるようにモニタリングできる仕組みにしておくことが大切です。
顧客を一番よく知っている現場の従業員が対応するので本質的に失敗は少ないはずです。万一、失敗しても否定せず、アドバイスすることにより教育を行っていくことも大切です。
クレームに対して上司を呼びに行く
商品を買ったところ、家に帰って袋を開けたら違う商品が入っていることに気づきました。あわてて販売店にクレームをつけにいったところ、対応者が「少しお待ちください」と言って。その場を離れ、担当者や上司を呼びにいくケースです。
こちらは早く対応してほしいし、まず「ご免なさい」の一言ぐらい言ってもバチは当たらないだろうという気分でいますので、どんどん不満が増大していきます。これは従業員に、自分で判断させない仕組みの問題です。