企業のIT活用/システム導入事例

秀吉 一夜で墨俣城を築く(3ページ目)

美濃攻めの拠点として秀吉が一夜で作ったという墨俣城。一夜城とも呼ばれています。実際は諸説ありますが今回は秀吉の城造りを事例に短納期のシステム作りを学びます。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

墨俣の一夜城造りがはじまる

墨俣の一夜城造りがはじまる

墨俣の一夜城造りがはじまる

城の部材が揃った頃に天の恵みか、雨が続きました。目の前の境川が、どんどん濁流になっていきます。また雨で、視界もほとんどきかなくなってきました。美濃勢に気づかれずに墨俣へ出る好機です。

濁流にこぎ出すのは、さすがに秀吉も気持ちがひるみますが、「よし」と心の中で気合いを入れ、野武士たちに向かって叫びました。
「皆の衆! ここが正念場ぞ、世に出るか、このまま野武士で終わるか、分かれ目ぞ、ええか押し出すぞ!」

まずは、プロジェクトマネージャの秀吉が筏に乗り込み、濁流に身を投じました。

蜂須賀小六が叫びます。
「秀吉殿に続け! 天下に聞こえた、蜂須賀党だ、ひるむな押し出せ!」

時は永禄9年9月12日の午前2時、水量の増した、境川に部材で組んだ筏が次々に押し出されていきます。 途中で破損することもなく、正午には墨俣に着きました。 直ちに柵作りに、続いて掘り割り、そして塀を作っていきます。 塀が出来たところで、秀吉が、塀に白い紙を貼るように命じます。

「よし、お前、対岸に渡って、城壁らしく見えるかどうか確認して来い」

まもなく帰ってきた野武士が復命します。
「壁らしく見えますが、矢狭間が見えません」

「忘れておったわ。よしお前、墨で矢狭間らしく見えるように書いていけ」

ようやく外から見ると城壁のように見える塀が出来上がりました。次に楼を立て、上には旗差物を大量に押し立てます。 外からは、城らしく見えますが、中はまだ張りぼて状態で突貫工事が続いています。

「よいか、相手から城らしく見えたら、それでよいのじゃ、後はおいおい、直していけばよい」

墨俣一夜城伝説に

美濃勢が気づかぬ間に墨俣に城ができている

美濃勢が気づかぬ間に墨俣に城ができている

尾張勢が懲りずに墨俣で城造りをしている話が美濃にも伝わり、前回のように蹴散らしてやると出陣してきました。 美濃勢が墨俣に着くと、白壁で矢狭間まで備えた本格的な城が目の前にありました。たくさんの旗指物が楼に上がっており、槍を持って行き来している兵の姿が見えます。

「いつのまに、城を! こしゃくな、かかれ!」

美濃勢は城ができてしまったという固定観念で攻めますので、結局は秀吉軍に追い払われることになります。

相手が引き上げた隙に、また突貫工事を行い、とうとう墨俣城を造りあげてしまいます。短納期で城造りを行ったため、これが一夜城伝説となり、後世に語り継がれることになりました。

優秀なITベンダーを見つける方法

ITベンダーはなかなか手の内を明かしません。無理もない話で、短納期でできるのなら、「じゃあ、価格を下げろ」という発注元が多いのが、その理由です。 では、どうすればよいのでしょうか?

異業種交流会などで、同業者にITベンダーの評判などを聞いたり、IT業界の親睦会などに参加し、IT業界での評判を聞いたりと、地道な情報収集がかかせません。 いくつか、絞り込んだITベンダーに短納期でシステム開発する方策はないかと聞く手もありますが、聞く前に、それで発注額を下げることはないと相手に伝えることが大切です。

ITベンダーとはWin-Winの関係を作ることがシステム開発の一番の成功要因。ちょうど秀吉と蜂須賀党がそうであったように。

【短納期でシステム開発ができるITベンダー】
・部品の蓄積が多い
・開発プロセス(組立)ノウハウの蓄積がある

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