節税対策/節税対策関連情報

中小企業の役員退職金~事例編~

今回は、役員退職金特集の最終回です。前回、前々回を踏まえて、今回は実際によくある事例をいくつか取り上げて、ご紹介していきたいと思います。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド

事例1~最終報酬月額が0の役員に対する退職金

事例編
今回は、中小企業が役員退職金を支給する場合によくあるケースを取り上げて、その解決策や判断基準についてご紹介していきたいと思います。

事例の1つ目は、役員報酬をもらっていない役員に対する退職金支給についてです。中小の同族会社では、非常勤役員で長期に渡って役員報酬を支給していない方、またそうでなくても、以前は役員報酬を支給していたのですが、退職時には役員報酬の支給をしていない役員などがいる場合があります。

このような場合に役員退職金を支給することはできるでしょうか。前回、ご紹介した功績倍率での算式を思い出して下さい。

役員の最終報酬月額×勤続年数×功績倍率

この算式では、役員の最終報酬月額が0であれば、いくら勤続年数が長くても役員退職金は0になってしまいます。

ただ、最終報酬月額が0の役員であっても、在任中に会社の経営に貢献してくれた方に対してその成果に見合う退職金を支払う、というケースは実際にあります。その方の貢献度合にもよりますが、その場合全く退職金を出せないかというと、決してそんなことはなく、手続きを踏まえた上での適正金額の支給であれば、税務上も経費として認められます。

このようなケースでは、功績倍率の算式は使えませんから、以下のような算式を使って計算することがあります。

1年当たりの平均退職金×勤続年数

この場合には、企業の退職金データを集計した書籍等を参考に、退職金を計算してみて下さい。もちろんこの金額が絶対なわけではなく、これもあくまで参考程度です。

>事例2~分掌変更による退職、続きはこちら
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