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確定申告、ここが間違えやすい!後編(2ページ目)

前回に続き、確定申告で陥りやすい間違いを取り上げます。今回は、保険・医療費等の注意点です。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド

医療費は10万円超なくても受けられる場合あり

医療費控除の適用を受ける方も多いと思いますが、「年間10万円超の領収証がないとダメ」だと思い込んでいませんか。

医療費控除は、支払った年間医療費が10万円か合計所得金額の5%のどちらか低い方を超えていれば、原則適用可能なのです。

「10万円か合計所得金額の5%のどちらか低い方」ということは、「200万円×5%=10万円」ですから、合計所得金額が200万円未満であれば、年間医療費が10万円なくても控除できることになります。

所得金額が200万円未満というのは、サラリーマンの方ではあまり該当する方はいないかもしれませんが、個人事業主の場合には十分あり得ます。「今回は業績が悪かったな」などという場合には、いつもは受けられない医療費控除を受けられる可能性もありますので、早とちりせず必ず確認するようにして下さい。

また医療費の集計をする場合には、還付を受けた高額療養費や、生命保険会社からの入院給付金などは医療費から控除しなければなりませんので、注意して下さい。

ただし、控除するのはその給付の対象となった医療費からだけで、かかった医療費より高額の入院給付金等をもらっていたとしても、そのもらい過ぎている金額を他の医療費から控除する必要はありません。要するに控除計算は、「医療費ごとにひも付き」と覚えておいて下さい。

ここで、「生命保険会社からの入院給付金はさっきの一時所得になるのでは・・・」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、入院給付金自体には所得税はかかりません。一時所得の対象になるのは満期保険金等の場合です。

事業用資産の譲渡に注意

最後に、個人事業主の消費税について、よく間違う事例を1つ取り上げておきます。

例えば、事業用の建物や事業用車両の売却があったとします。この場合、売却自体は事業所得ではなく、譲渡所得に該当するのですが、消費税を計算する際には、事業所得も譲渡所得も関係ありません。

つまり通常の事業所得の消費税計算に、事業用建物や事業用車両の売却も含めて、消費税を計算しなければなりません。譲渡所得として、事業所得の計算から外れてしまうので、消費税を計算する際にもついつい忘れがちですので、注意して下さい。

ちなみに、個人事業主が自分の自宅を売却したような場合には、消費税はかかりません。あくまで対象となるのは、事業用のみです。


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