◆経営計画の作成
損益分岐点は、事業計画や経営計画を作成するためには必須になります。
例えば、年間の固定費が2,000万円、変動費率が75%の会社が来期の利益目標を1,000万円と設定した場合、目標達成に必要な売上高は以下のように求められます。
目標達成売上高=(2,000万+1,000万)/(1-0.75)=1億2,000万
実際に事業計画に落とし込んでいくためには、さらにシミュレーションが必要になるでしょう。例えば、上の例で来期に人員の新規採用で、固定費が年間400万円さらに増加するということになれば、上記の目標売上1億2,000万円で達成できる利益は、
1億2,000万×(1-0.75)-(2,000万+400万)=600万
となります。目標の1,000万円を達成するためには、
(2,400万+1,000万)/(1-0.75)=1億3,600万円
の売上が必要になります。そこまで売上を伸ばせる見込みがないということになれば、他の固定費を減らせないか、変動費率を下げられないか、というように計画を仕上げていきます。
損益分岐点の落とし穴
損益分岐点の算式から分かることは、以下の3つです。利益を増やすためには・・・1.売上を増やす
2.固定費を減らす
3.変動費を減らす(変動費率を下げる)
ただし、実際にはこの通りにいかないこともあります。
例えば、単純に売上を増やすといっても、単価を上げるのか、売上数量を増やすのかといった問題があります。単価を下げて売上を増やしても、結果的には利益の増加にはつながらないこともあります。試算表や決算書から損益分岐点を計算する場合、単価と数量はわかりませんが、本来はその点も考慮すべきなのです。
損益分岐点は、あまり杓子定規に捉えすぎないことも時には必要です。
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