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配当金~申告するかどうかはあなた次第!?(3ページ目)

今回は確定申告各論解説の第2弾として「配当金」を特集します。意外に奥が深い配当所得の申告の勘どころをご説明します。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド


還付申告の際の落とし穴

ただし、還付申告をするときにも気を付けておくべきことがあります。それが、配偶者控除や扶養控除との関係です。

例えば、パート収入が100万円で夫の配偶者控除の対象となっている妻のケースを考えてみましょう。この妻が年間50万円の配当金(上場株式等)を受け取ったとします。
申告不要制度を利用し、確定申告をしないという場合には、その配当所得についてはなかったものとされますので、パート収入が100万円であれば所得は100万円-65万円=35万円となり、所得が38万円以下であるため、これまで通り配偶者控除の対象となります。

一方、確定申告して還付を受ける方を選んだ場合はどうなるでしょうか。妻の所得は給与所得35万円+配当所得50万円=85万円となります。この場合、以下の計算のように、年間の所得税は0になり、配当金から差し引かれた所得税3万5千円(=50万円×7%)が全額還付されます。

85万円-38万円(基礎控除額)=47万円
47万円×10%=4万7千円
4万7千円-4万7千円=0
(4万7千円<50万円×10%=5万円(配当控除))

しかし、確定申告することによって、妻自身の所得は85万円となってしまい、配偶者控除や配偶者特別控除の対象から外れてしまうのです。その分、夫の方が税金を取られるということになってしまいます。「差し引きしたら損だった!」ということのないように注意して下さいね。

住民税の確定申告だけが必要なときもある

最後に、非上場株式等の申告不要制度についての注意点をご紹介しておきます。

非上場株式等の申告不要制度を選択した場合、所得税の確定申告は必要ないのですが、住民税の確定申告は必要になります。というのも非上場株式等の配当金に対する税金は所得税20%だけで、住民税は源泉徴収されていないからなのです。適用される方は十分注意して下さい。

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