極めつけは、消費税の節税
給料を外注費化することのメリットの最後として、「消費税の節税」があります。実はこれがもっとも大きなメリットではないかと思います。どういうことかというと、会社が払う消費税というのは、売上時に「預かった消費税」から、費用支払い時に「支払った消費税」の差額を納めるという形態を原則とっています。
ということは、その会社が納める消費税を減らそうと思うと、「支払った消費税」を増やせばいいのです。給料はその支払い金額の中に消費税は含まれていませんが、外注費の場合はその支払い金額の中に消費税が含まれていることになっています。ということは、外注費で処理できれば会社にとって「支払った消費税」が増えることになるのです。
例えば、年間給料として支払っていた1,000万円の人件費を、今年から外注費に変更したとします。そうすると、1,000万円×5/105=約47万円が、消費税計算上「支払った消費税」に計上されるのです。給料を外注費に変更すると、この場合約47万円の消費税の節税が実現することになります。
しかし外注費と認められるには厳しい条件が……
ということは(特に消費税の観点からは)、給料より外注費のほうがいいということになります。しかしなんでもかんでも外注費にすれば、税務署が認めてくれるかというとそうではありません。給料を外注費に変える場合は、非常に厳しい見方をすると考えておいたほうがいいでしょう。特に「社内外注費」なんかは、否認される場合が多いです。消費税の節税を狙った「給料の外注費化」は、争いなどでその多くが負けていることを最後に付け加えておきます。
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