9月の声を聞くと、誰もが「火災の季節」を連想します。大正12年(1923年)9月1日の関東大震災、そして平成13年9月1日は44名の死者を出した新宿区歌舞伎町ビル火災など悲惨な出来事が多いからですが、皆様のマンションでは避難訓練を実施していますか?そして、毎年参加していますか?今回は消防訓練の密着レポートをお送りします。
◆消火器の使い方を練習
まず最初は、消防署員による消火器の使い方を教わります。エレベーター脇などに設置された消火器には色々な種類がありますが、マンションなどの集合住宅では加圧式の粉末消火器がほとんどです。ラベルを見ると「白マル」「黄マル」「青マル」がついており(下写真参照)
● 白マル:普通火災(木材・紙・繊維類の火災に有効) ● 黄マル:油火災(ガソリン・灯油・石油ストーブ・天ぷら油などの火災に有効) ● 青マル:電気火災(配電盤・変圧器・電気配線などの電気火災に有効) |
つまり、すべての火災に有効なマルチ消火器なのです。消化剤はリン酸アンモニウムを主成分とし、放射用に蓄圧したボンべを開封し薬剤を放射します。あくまで粉末による消化なので、水のような浸透力がなく、一度消えたように思えても再燃する可能性があるので注意が必要です。
また放射時間はわずか17秒しかなく、一度レバーを引いて粉末が放出すると、その後にレバーをゆるめても放射は止まらず、タンクが空になるまで出続けます。つまり、あわててレバーを引いてしまうと火元に到着する前に中身がなくなり消火が行えなくなるのです。
近頃は訪問販売や通信販売でも消火器が買えるようになりましたが、その際には「日本消防検定協会の合格証があるかどうか確認してから購入しましょう(消防署員)」とのことです。
正しい消火器の使い方(まとめ)
- 火災を発見したら「火事だ!」と叫び、周囲に知らせる
- 消火器を持ち、火元へ近づく。飛距離は5メートル程度なので近づきすぎず、また遠すぎてもダメ
- 安全ピンを引き抜く
- ホースを火元へ向ける
- レバーを握り、消火する
- あくまで初期消火なので、その後に119番通報を忘れない
次ページでは屋内消火栓の使い方を見てみましょう。