「熱いヤツ」ほど、満足できる就職活動ができる!
歌舞伎の世界では「守・破・離」というが、まずは基本を徹底的に学び、何度もトライして、はじめて自分らしく生きることができる。まずは臆せずやってみることだ。 |
「一生懸命に壁を塗ってくれる若いやつらが出てきて、うれしいねえ。オレも彼らから教わることがいろいろあるんだ。オレを名人だと言う者がいるけど、違うよ、オレは“迷人”さ。80歳になっても迷ってる。だから進歩するんだよ。プロって言葉は、オレは嫌いだ。プロってのは、出来上がった人だろ。職人は、いつまでも未完成なんだ。だからいつまでも可能性があるんだよ。職人は失敗していいの。失敗したら、やり直しゃいいんだ。そうやって進歩し続けるのが職人なのさ」
(出典:『PROVISION』No.49「職人の技」)
榎本さんは80歳で、日本有数の一級職人だ。にも関わらず、若手からも何かを教わろうとしている。迷いたい。可能性を閉じたくない。出来上がりたくはない。そう、彼はまだPDCAサイクルを回しているんだ。
なぜ回せるのか。それは、榎本さん自身がまだ左官の仕事に「一生懸命」であり、そして教わる部分がある若いやつらが「一生懸命」だからだ。
『コンピテンシー面接マニュアル』にも、コンピテンシー面接を実施する面接官にむけての以下のような注意点が書かれている。
「一生懸命、しっかりと、きちんと、うまく…などの抽象的な副詞表現を見逃さない。(中略)こうした表現が出てきたら、具体的に何をしたのかブレークダウンして説明するよう、被面接者に促します。例えば“きちんと考えた”ですが、“10秒で考えたこと”も“1週間かけて情報収集を行い、先輩や指導者などの意見も参考にしながら辿り着いた結論”も、すべて“きちんと”になってしまいます。」
コンピテンシー面接での評価は、その経験にどれだけ真剣に取り組んだかなのだ。なぜなら、短く浅い経験ではPDCAサイクルはあまり回転せず、基礎力は成長しないのだから。
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最初の問いに戻ろう。
やりたいことがわからないのに、何をどう頑張ればいいのか?
もう答えは分かったと思う。
ソニー・人事センター課長・北島久嗣さんが教えてくれた。
「何でも役立ちます。しかし、自分が『どんな経験をして』、自分の『どんなことに気づいたか』を明確に意識しておくことが必要です」
冒険家であり、東京芸術大学院生でもある石川直樹さんはこう語る。
「現実に何を体験するか、どこに行くかということはさして重要なことではないのです。心を揺さぶる何かに向かい合っているか、ということがもっとも大切なことだと僕は思います。」
(出典:『いま生きているという冒険』石川直樹)
つまり、何でもいいんだ。努力が必要だと悩む必要は無い。
君にとって、努力を厭わず「一生懸命になれること」「熱くなれるコト」に打ち込めばいい。そしてその経験を「言語化」すればいいんだ。
夏休みは長い。そして何をしてもいい自由な時間だ。何もしないことはないだろう。きっと遊ぶし、アルバイトもするし、恋愛も、勉強も、課外活動も、おのおの何かはするだろう。
将来のために具体的に目標を定める必要は無い。何したって構わない。ただ、その一つ一つのアクションに「熱い思い」をぶち込んで欲しい。その「熱い思い」こそが、PDCAサイクルを回し自らを成長させる。要領がいいヤツに比べ、不器用で熱いヤツほど、PDCAサイクルを何度も回す。そして、その回数こそが「経験の数(水量)」であり、成長に繋がっていく。あとはその経験を言葉にして保存しておけばいい。
それが、いまどきカッコイイとは思えない「熱いヤツ」ほど採用される所以(ゆえん)なのだ。
※ふと思い出した、Jungle Smileの名曲の歌詞を記しておく。その情景は、私が何かにチャレンジする時と似ている。リスクテーキングを覚悟する気分かな。
風強い草原の真ん中
胸に手をあて空に誓った
この目であの地平線の先を確かめにゆく
孤独 別れ 待ち伏せてても
知りたい知りたい私の力を
試してみたい
胸を焦がすほどの感動
泣いて泣いて泣いてしまうほど
感じてみたい
(出典:『冒険(ロマン)』作詞/高木郁乃、芹沢類)
※記事「熱いヤツが採用される理由・その1」はこちら!
※記事「熱いヤツが採用される理由・その2」はこちら!
風強い草原の真ん中
胸に手をあて空に誓った
この目であの地平線の先を確かめにゆく
孤独 別れ 待ち伏せてても
知りたい知りたい私の力を
試してみたい
胸を焦がすほどの感動
泣いて泣いて泣いてしまうほど
感じてみたい
(出典:『冒険(ロマン)』作詞/高木郁乃、芹沢類)
※記事「熱いヤツが採用される理由・その1」はこちら!
※記事「熱いヤツが採用される理由・その2」はこちら!