大学生の就職活動/就職活動の選考対策

熱い学生が就職採用される理由 1(3ページ目)

将来のために具体的に目標を定める必要は無いし何したって構わない。ただ、その一つ一つに「熱い思い」をぶち込んで欲しい。その思いがPDCAサイクルを回し基礎力を成長させ、採用されうる人材へとなる原動力なのだ。

執筆者:見舘 好隆

「社会で働く上で必要な力」=「基礎力」って何?

水面
水面下の開発は長期間かかる。企業は水面下の開発はしてくれない。
さて、基礎力とは何だろう。記事「そもそも、『企業が求める力』って何なのさ?」で触れたが、何となく分かりにくかったと思う。基礎力を定義した各団体の説明は以下だが、ピンとこない。
  • 「職場や地域社会で働く上で必要な力」(経済産業省「社会人基礎力」)
  • 「社会で働くすべての人に必要な5つの力」(リクルートワークス研究所「基礎力」)
  • 「事務・営業の職種について実際に企業が求めている力」(厚生労働省「若年者就職基礎能力」)
そこで、違った視点で説明したいと思う。

基礎力とは、「社内で活躍している社員に共通する、振る舞い(Behavior)」である。専門用語で「コンピテンシー」と呼ぶ。コンピテンシーとは、ハーバード大学のマグラレンド教授により提唱された新しい能力評価の概念で、「成果をあげ続けることのできる行動特性」「再現性のある成果行動能力」と定義される。概念を図にすると以下となる。

コンピテンシー

図の通り、水面より上の「知識」「技術」は、入社してから研修やOJTで修得可能である領域。中途採用では問われるが、新卒採用ではあまり重視されていない(基礎学力や一般常識など)。しかし、水面より下の「行動」「思考」「価値観」「基本的動機」は、短期間で修得不可能な領域。この部分がコンピテンシーだ。

また、その力を測る観点でみると、水面より上の「知識」「技術」は「見えている」ので、試験や実技で測ることができる(SPI2や一般常識の筆記試験など)。しかし水面下である「コンピテンシー」は「隠れている」ので、「適性検査」や「面接」で測るしかない。


まだ少し分かりにくいかな?

ではひとつ企業の実例を一緒に見てみよう。


※次のページで、「社会で働く上で必要な力」=「基礎力」の例をみる!

※「コンピテンシー面接」で測るべき「基礎力」を、企業はどうやって決めているのか? 記事「『企業が求める力』は、どうやって決めているのか?」で述べたが、「活躍している社員」が共通して持つ「基礎力」を抽出して決めている。


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