大学生の就職活動/就職活動での自己分析

就職への不安 「実務経験不足」を補うワザ(3ページ目)

「仕事に就くには経験が必要。では経験を得るための仕事にはどうやって就くのか?」その答えは、何をやりたいのかを明確にし、仕事の現実を調べ、今の自分と夢の仕事とのすり合わせで得られる。

執筆者:見舘 好隆

「専門知識・スキル」「ビジネスマナー」「我慢強さ」の有無の証明が、職歴です。

二つ目の問題「20代後半でありながら職歴がない」

最近多い質問です。以下の相談もすべて同じ不安です。

「“やりたいこと”に近づけない?」
「畑違いの分野で就職は無理?」
「留学・職歴なし・27歳じゃ辛い?」
「中退→留学→再入学はマイナス?」

今回のご相談も、2003年卒業ということですので、新卒採用ではなく、中途採用(特に第二新卒枠)になります。よって、中途でまず求められる「職歴」が無い状態で、チャレンジすることになります。

さてまず、職歴があることとは、何を意味するのかを考えてみよう。

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求人広告には「経験者優遇」という言葉があります。営業職の採用であれば営業経験、プログラマーであればプログラムのスキル、旅行会社であれば航空会社の予約端末を操作できるスキルがあったほうが、即戦力として採用できますから、経験があることに越したことはないからです。

あと、職歴があることとはイコール、ビジネスマナーを身につけていることを意味します。例えば名刺の渡し方や電話でのアポ取り、尊敬語や謙譲語・丁寧語などなど、社会人として立ち振る舞えるマナーを持っていなければ困るからです。

そして、社会経験があることはイコール、失敗経験を積んでいることも期待でき、少々のことでもへこたれないストレス耐性と言うか、我慢強さを備えていることの証明でもあります。
(※1年以内で正社員を辞めると「忍耐力の無い人」と逆に思われる可能性があります)

つまり、「専門知識・スキル」「ビジネスマナー」「我慢強さ」の有無を問うかどうかが、新卒採用と中途採用との差になります。でも最近、この差がじわじわと無くなりつつあります。もちろん、未だに日本の新卒採用は職歴が無いことを前提に受け入れます。しかしそれは今の激動の時代にそぐわない古い習慣。欧米ではすでにインターシップやアルバイト経験で適切な実務経験を持つ学生を採用しています。第二新卒が増えている昨今、同じ給与なら少しばかりでも類似する実務経験と、そこそこのビジネスマナーを持つ第二新卒の方が採用しやすい。人事にとっても採用は投資と同じ。いい人材でなければ、採用した責任を取らされます。よって、実務経験の有無が人事にとってのリスクヘッジにもなるわけです。

新卒もこれから実務経験を持たなければ、採用されなくなる日が来ると、私は考えています。

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となると、ピーター・ボクトさんの言葉、

「仕事を見つけるために経験が必要ならば、経験を得るための仕事はどうやって見つけるのか。そんなパラドックスが学生や卒業しても職が見つからない人のストレスを高めています。」(『日本経済新聞』2003/11/25「アメリカの大学生の就職事情~ライバルは実務経験者」)

この言葉に指摘されたとおり、確かにこの問題は矛盾している。


さて、新卒採用の特例を逃せば、もう就職できないのだろうか?

どうすれば今持っていない実務経験を得ることができるのでしょうか?


次のページで「仕事に就くには経験が必要。では経験を得るための仕事にはどうやって就くのか?」という、矛盾を解消しよう!

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