派遣会社ではたくさんの派遣スタッフが働いています。だから、毎日起こる出来事もいろいろ!ここは、中堅規模のとある派遣会社の池袋支店。寒いある朝の出来事です。
営業のKさんは、今日も午前8時に出勤です。派遣先企業の始業時刻は、午前9時が圧倒的に多いのですが、風邪をひいたりしてその日急に休む派遣スタッフから連絡があることがあるのです。もしかすると、すぐにピンチヒッターの方を探して派遣先企業に連絡しなければならないケースもあるので、派遣会社の朝は営業もコーディネーター気を許せません。
■とにかく派遣スタッフに連絡を!
Kさんは、佐藤さんの営業担当になって5年にもなります。佐藤さんはどの企業にいっても評判がよく、Kさんが自分で担当している派遣スタッフのなかでも一番信頼を寄せている人です。もちろん連絡もなしに休んだことなど、いままで一度もないのです!今回の○○商事に派遣してからも既に10ヶ月になっており、やはり評判は上々で派遣期間の延長の打診をいただいたばかりでした。
Kさんだけではありません。担当コーディネーターのNさんも心配です。すぐに佐藤さんの携帯電話にかけてみましたが、電源を切っているようでかかりません。佐藤さんは兵庫県にご実家があり、東武東上線の志木に一人暮らしをしています。また、最近は多いのですが自宅には電話をおいていませんので、連絡手段は携帯電話だけです。
いったい、佐藤さんはどうしたのでしょう……?
■営業のKさん、佐藤さんの家に行く
Kさんはご実家に電話をかけてみようかと思いましたが、まず先に志木に行くことにしました。
朝、連絡がとれなかったからといって、営業がすぐに自宅に確認にいくのはそれほど多いことではありません。たいていは少し様子をみてからなのですが、佐藤さんはよっぽど信頼が厚かったのでしょう。
さて、志木に到着。住所をたよりに探し歩いてようやっと佐藤さんのマンションに到着しました。その間もKさんは携帯電話に何度もかけましたが通じていません。
時刻は10時30分。チャイムを鳴らすと、中から佐藤さんの声が聞こえるではありませんか!
「△△派遣会社のKです。佐藤さんどうしたんですかっ!」