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お金を払っても、経費にならない?

仕事上「お金を支払うこと」は、これ即ち「費用の発生」とお考えの方は多いかと思います。でも、この考え方は、ちょっと危険をはらんでいます。会計や税務の世界では一体何を持って「費用」というのでしょうか?

執筆者:森 康博

税金から守れ!
せっかく頑張ってあげた利益ですから、すべて税金で持っていかれるというのは切ないですよね……。

ようやく良くなりつつある、と言われていた日本の景気ですが、原油高などのおかげで国民全体に景気の恩恵が行き渡る前に、失速の影がちらついてきています。

そんな世の中でも、すべての企業が赤字になるか、と言えば、そんなわけではありません。必ず黒字の会社があるものです。
黒字経営はうれしいものですが、そうすると法人税などの負担も発生してきます。
「社会のためには税金は必要」とは分かっているものの、「出来るだけ負担を減らしたい」というのも正直なところではないでしょうか。

社長の節税対策は、はたして……?

とある都市の、とある会社。社員ともども会社一丸となって頑張った結果、思いがけず巨額の黒字が出ることとなってしまいました。

このまま納税した場合、税額が大きいために会社の資金繰りに悪影響を及ぼしそうです。そこで社長は、自分で節税対策を考えてみました。

■社長の行った節税

  1. 先々の分まで、商品をたくさん仕入れておく
  2. 来期に開催予定の「暑気払い」の費用をあらかじめ支払っておく
  3. 取引先に来期の仕事の請求書を発行してもらい、未払計上する

さてさて、社長が一所懸命に考えた節税案ですが、いずれも「費用」を増やすことによって、利益を少なくする作戦のようです。

「費用」については、お金を支払ってしまえば費用と出来る、とか、請求書さえあればお金を払わなくても計上できる、など、様々なウワサを耳にします。
そうすると、社長の作戦はうまくいくようにも思えてきます。

社長の目論みは、上手くいくのでしょうか……
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