退職後・転職後の住民税の納め方は、普通徴収と特別徴収の2パターン
住民税の納め方のポイント
一方、個人事業主や1、2人程度の小さな会社であれば、給与天引きせずに、納税者が直接自治体から納付書を受け取って納税することになります。この方法を普通徴収と呼んでいます。納付は毎年6月、8月、11月、翌年1月の4回にわけて納付します。
退職後、住民税の納付書は忘れたころにやってくる
それでは住民税の計算はどのように行われているのでしょうか?おそらくお住まいの市区町村に対して、給料などの申告をした覚えのある方はいらっしゃらないと思います。それもそのはず、市区町村は、会社員であれば給与の支払者である会社から1年分の給料やボーナスの金額情報を、個人事業主であれば確定申告書の情報を持っている税務署から所得の情報を受け取って、住民税を計算しているのです。こうして、市区町村はみなさんの所得を把握して住民税を計算しています。そして、計算された住民税が毎年6月から翌年5月にかけて給与天引きされたり、納付書で納付したりする住民税額となります。例えば、平成28年6月~平成29年5月の住民税額は、平成27年の所得情報に基づいています。確定申告や、1年間の給料・ボーナスの金額が確定しないと市区町村で住民税額を計算できないため、このように前年分の所得をベースに課税されることになっているのです。
ちなみに、年の途中で転職・退職した場合は、退職時期によって徴収方法は変わります。6月から12月にした場合は、最後の給料から残りの期間分一括天引きすることも可能ですし、転職先で毎月天引きしてもらうことも可能です。どちらを希望するか退職時に会社に伝えましょう。転職しない場合で、最後の給料から一括天引きしなかった場合は、退職後市区町村から残額の納付書が自宅に送られてきます。一方で、翌年1月から5月に退職した場合は、最後の給料から強制的に一括天引きされます。
ここで、一つ問題が発生します。例えば、平成28年2月に退職したあと、再就職していない人についても、平成27年の所得をベースに平成28年6月から住民税を納付する必要があるのです。このように、場合によっては、収入がない、あるいは減ってしまったのにそれなりの金額の住民税を納付しなければならないことも起こってしまいます。特に前年の給与所得が大きかった場合は要注意です。
どうしてもお金がないときは、自治体に相談を
このように、お金がないのに住民税の納付書が届いてしまったという場合、まずは自治体の窓口に相談しましょう。お金がないから納税を免除されるなんてことはさすがにありませんが、金額の分割など多少なりとも便宜を図ってくれる場合があります。払えないからといって、納付書を放置してはいけません。滞納すると市区町村から督促が届きます。また、督促も無視し続けると、住宅などの差押えをうけたなんてケースもあります。どこまでの手段によるかは滞納額にもよるでしょうから一概に差押えを受けるということはいえませんが、無視しておけばその内督促も来なくなるだろうといった考えはやめましょう。
お金がないから納められないという事情はやむを得ないかもしれませんが、市区町村に対して誠意ある対応を心がけることが重要です。
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