ドイツでの要介護者は日本での要介護4以上

日本ではご存じの通り、要支援・要介護度は7段階ですが、ドイツは3段階。軽介護は対象外で、中度以上の要介護状態に絞って給付する仕組みになっています。ドイツの要介護度1は「相当程度の要介護状態」とされ、日本の要介護4程度。要介護度2は「重度の要介護状態」で、日本の要介護5程度。要介護度3は24時間介護が必要な「最重度の要介護状態」とされています。日本も、要介護5止まりではなく、24時間態勢で介護が必要なかたへの給付を考えるべきだという声もあります。

介護にかかる時間を合計し鑑定する

日本の要介護認定に当たるドイツの「鑑定」では、病気と障害によって、今後、最低6ヶ月間、介護が必要な人のみが対象。日常的に必要な介護の項目ごとに、介護に要する手間の時間を合計していくことで鑑定します。つまり、日本のように心身の状況を勘案することはなく、数値化したものだけで判断。また、洗髪、つめ切りなど、毎日行う必要がない事柄については考慮されず、現物給付されるサービスからも対象外とされています。

鑑定は「身体衛生」「食事」「移動」という大項目があり、「身体衛生」であれば、洗身、歯の手入れ、排泄などの介護項目があります。この介護項目には、たとえば洗身であれば、「全身洗身」の介護が必要なら20~25分、「部分洗身 上半身」なら8~10分など、介護に必要な時間の基準が示されています。

この基準時間は、家族など専門職としての教育を受けていない介護人が、その介護を行うときに必要とする時間。この基準時間をもとに対象者の介護の手間を数値化するわけです。「部分洗身 上半身」に該当するけれど、左マヒのリハビリのために自分で洗ってもらうと基準時間を超えて15分かかる場合は、そう特記すれば「15分」と認められます。

こうして数値化したものをプラスしていった合計が
  • 46分以上120分未満……介護度1
  • 12分以上180分未満……介護度2
  • 180分以上……介護度3
とされます。

2008年から認知症の調査を新設

この調査は身体状況のみを見るため、身体的には不自由はないけれど認知症で介護の手間がかかる人は非該当。これまで認知症の対象者に対しての給付は、家族の訴えにより、460ユーロ(約5万6000円)分の話し相手、見守りなどの現物給付が認められるだけでした。これが非常に問題となっていたため、2008年7月の改正では、家を出て徘徊する、昼夜逆転している、感情のコントロールができない、など13項目の認知症調査が新設されました。
※1ユーロ=122円(2008年11月28日午後11時現在)として計算

次回は、【要介護認定調査】のつづきと給付についての違いを紹介します。

※2008年の改正介護保険の内容、公認鑑定人の鑑定方法等については、在ドイツのドイツ公認介護鑑定人のかたから伺ったお話を参考にしました。

※ドイツの介護保険制度については、下記のサイトも参考にしました。

※ドイツ介護保険制度について、把握した情報をもとに自分なりに整理しています。私の理解が不十分で事実と相違している点がありましたら、ぜひご指摘いただければと思います。早急に調べて、必要に応じて修正します。

【参考サイト】
「ドイツと日本の介護保険制度の比較」 大正大学 橋本泰子氏
「ドイツの介護保険」 東京医科歯科大学名誉教授 岡嶋道夫氏
「ドイツ介護保険の実態」 日本ケアワーク研究会


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