ドイツ介護保険の財源は保険料のみ

日本の介護保険の財源は、保険料と税が50%ずつ。利用者が増えて給付額が増えれば財源が不足しますから、保険料のアップにつながります。実際、1号被保険者の保険料平均額は、介護保険制度開始の2000年度に2911円だったものが、2003年度には3293円、2007年度には4090円と大幅に上がっています。

一方、ドイツの介護保険は保険料だけを財源として運営されています。
日本以上に、給付増は保険料アップにつながるはずですが、1995年の介護保険制度開始以来、1.7%の保険料率に変わりはなく※、2008年7月1日の制度改正で初めて1.95%に上がりました。ここ数年、赤字続きではありましたが、赤字幅もそれほど大きくありません。なぜ、料率変更なしで運営できたのか。これについては、後述します。
※正確にいうと、当初は在宅介護のみでスタートし、保険料率は1%だったが、その後、施設介護が加わって1.7%となった。

赤ちゃん
ドイツの介護保険では、被保険者に年齢制限はなく、赤ちゃんから高齢者までが対象

被保険者に年齢制限はなく
0歳から∞歳まで

日本では原則65歳以上、脳梗塞など特定疾病の患者のみ40歳以上も利用できる制度となっています。これに対し、ドイツは0歳以上の医療保険加入者はすべて被保険者(ただし、高所得の被用者などは公的介護保険ではなく民間介護保険に加入してもよいことになっており、10%強は民間保険に加入していますが)。被保険者数が多いため、給付対象を絞り込む必要があることが想像できます。

開始13年後に初めて保険料アップ

ドイツでは、給与の1.95%の保険料を労使で折半します。「財源」のところで、料率の引き上げは2008年7月がはじめてと書きましたが、実は2005年に一部の被保険者のみ料率の引き上げがありました。それは、23歳以上で子どものいない人たち。子どものいる人といない人が同じ保険料を払うのは違憲であるという判決が下され、子どものいない人たちの保険料率が0.25%引き上げられたのです。ちょっと驚きますね。これは日本では、なかなか通らない主張のように思います。この一部の料率引き上げもあって、2008年までは全体の料率アップを避けられたようです。