負担が大きい通信講座の実習180時間
また、実習180時間というのもキツイと思います。今回の改定で、実習は1施設に120時間以上と規定されました。これは、数カ所の施設で細切れの実習を行う養成施設があったからだとのこと。細切れ実習では、「相談援助に関わる実践的な知識、技術の習得」が難しいため、これを改善するために実際の実習は分割実施するにしても、1施設120時間以上(+他の施設で60時間以上の計180時間以上)と規定したのだそうです。
私が受講したときは90時間で、土日休みの2週間続けて(つまり実働10日間)の実習でした。私が実習をさせていただいた施設は、実習生の受け入れ体制が整っていて、きちんと指導もしていただけたほうだと思います。それでも10日間の実習では、やはり現場の雰囲気、様子を知る程度。援助計画の立案などにはほど遠く、どれほど実践に役立つ経験ができたかというと疑問ではあります。そういう意味では、実習が180時間になればもう少し深く取り組めるかな、とは思います。
実習180時間は現職者には相当な負担になりそう |
学生ならいざ知らず、現職で4週間の実習は、職場の理解がなければむずかしいですね。
なにしろ、実習以外に、「相談援助演習」「相談援助実習指導」のスクーリング計72時間=8日間もあるわけです。私の同級生たちは、夏休みをスクーリングに当て、実習は職場の了解を取って有給休暇を取得。そんなやり方で仕事との折り合いを付けている人が多かったですね。
厚生労働省指定施設での勤務経験があり、実習免除になるかたはともかく、実習が必要になるかたは、受講を決める前に事情を説明して職場の理解を求めなくてはなりません。受講には、かなりの負担を覚悟する必要がありそうです。
この新しい養成課程は平成21(2009)年度から実施されます。そして、国家試験がこの新しい科目で実施されるのは平成22(2010)年1月実施の試験から。ちなみに、現行の科目でいま学んでいる福祉系大学生などに対しても、特に経過措置は設けず、新しい試験科目での受験となるとそうです。これは、「科目が再編されただけで、現行の科目でも社会福祉士に求められる知識は網羅されているため」とのこと(厚生労働省社会・援護局・福祉基盤課)。
実際には、たとえば更生保護制度など、これまで本当にわずかしか取り上げられていなかった内容もありますから、現行科目で学んできて新しい科目で受験する方たちは、試験対策の勉強をかなりしっかりやらないと厳しいのではないかと思います。試験問題数、出題範囲等については、これから財団法人 社会福祉振興・試験センターで詰めていくとのことです。
制度変更直後は、いろいろバタつきますから、すでに受験資格を取得されているかたは、できれば平成20(2008)年度に受験されることをおすすめします。
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