築年数に関係なく減税が受けられるようになる(?) |
そのため、たとえば築30年のマンション(耐火建築物)でも所得税還付の対象となりましたが、当該改正内容には注意点があり、正しく理解していない方が散見されます。そこで今一度、適用条件をまとめてみました。
築年数がきわどい場合は登記簿で確認する
<築年数要件撤廃にかかる税制改正内容>
改正前 | 中古住宅にかかる築年数要件 ・耐火建築物:築25年以内 ・耐火建築物以外:築20年以内 |
改正後 | 以下のいずれかに該当するもの ・耐火建築物:築25年以内 ・耐火建築物以外:築20年以内 ・新耐震基準を満たすことを証明したもの |
「築25年以内の耐火建築物」あるいは「築20年以内の耐火建築物以外の建築物」であれば、改正前同様に、耐震基準適合証明書は必要ありません。上記築年数を“超えた”住宅に関してのみ、ローン減税を受けるために同証明書が不可欠となります。
その際、ここでいう「築年数」の起算日は、登記簿で確認することができます。マンションの場合、マンション登記簿「表題部(専有部分の建物の表示)」欄の【原因およびその日付】部分に、当該マンションが新築された日が具体的に記載されております。また、「耐火建築物」に当てはまるかどうかも、登記簿に記載された【建物の構造】によって判定します。耐火建築物となる建物の構造は、その建物の主たる部分の構成材料が
・石造 ・れんが造 ・コンクリートブロック造 ・鉄骨造(軽量鉄骨造は含みません) ・鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造 |
のものをいいます。「軽量鉄骨造」は耐火建築物に該当しませんので、ご注意下さい。
証明書の取得は「売り主」しかできない
続いて、平成17年4月1日以降に取得した住宅であることも条件の1つです。なお、「平成17年中(取得後6ヶ月以内)に入居し、かつ、同年12月31日まで引き続き住んでいること」も重要な適用条件です。当該条件を満たしていないと、「築年数要件の撤廃」以前の問題として住宅ローン減税は一切受けられませんので、併せてご留意ください。
そして、最も誤解が生じやすいのが、耐震基準適合証明書の取得主体です。新耐震基準を満たしていることの証明方法は、中古住宅の“売り主”が建築士(建築士事務所に属する建築士に限る)、指定確認検査機関又は指定住宅性能評価機関に依頼し、耐震診断を受けて、新耐震基準を満たすことの証明書を取得しなければなりません。買い主が、マイホーム引き渡し(=所有権移転)後に証明書を取得しても、残念ながら手遅れなのです。また、マンション1室(区分所有部分)の取得に際して、当該住戸を含む“マンション全体”について耐震基準に適合することの証明が必要となります。
つまり、マンション(共同住宅)の場合、売り主が管理組合を主体として売却前に耐震診断を行い、適合証明書が発行されている物件であることが必須条件となるわけです。そういう意味では築年数の撤廃といっても、対象となる物件はかなり限られるのが現実のようです。
なお、対象住宅が「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく住宅性能評価書において耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)評価が「等級1」以上の場合は、証明書に代えることができるとされています。
以上の条件を満たした方は、平成18年2月16日~3月15日の間に確定申告(所得税)を行ないましょう。
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