新築マンションの売れ行きは回復のきざしが見えつつある。
不動産経済研究所が10月14日に発表した「首都圏の新築マンション市場動向」によると、2009年9月の月間契約率は73.9%と、好調・不調の分かれ目となる70%を上回る結果となりました。2008年1月からの推移を見てみると(下表参照)、今年に入ってから緩やかな右肩上がりを示しているのが分かり、マンション不況と言われて久しい中にあって、売れ行きは徐々に改善していることが見て取れます。一体、なぜなのでしょう。

最大の理由は、都内を筆頭とした分譲価格の調整でしょう。先高感は完全に払しょくされ、タイミングをねらっていた実需層が本格的に動き出したことが一因と考えられます。住宅セミナーで、私、ガイドが相談を受けたある人は「買おうか迷っていると、次々に先を越されて契約されてしまう。今年中には決めたいので焦っている」と言っていました。「買い時」感を実感している人にとっては、チャンス到来というわけです。

そして、契約率を上振れさせたもう1つの理由が、住宅ローン減税の拡充です。2009年度税制改正で、所得税から還付しきれない分は個人住民税からも控除するほどの大盤振る舞いです。環境対応車のエコカー減税同様、住宅ローン減税がマイホーム購入のカンフル剤になっていることは間違いないでしょう。

ただ、適用条件があるため、その条件をすべてクリアしなければ恩恵には授(さず)かれません。1つでも満たせない条件があると、その時点で減税は受けられなくなります。そこで、「しまった。こんなはずでは……」とならないためにも、しっかりと住宅ローン減税の適用条件を頭に入れておかなければなりません。

首都圏新築マンション 月間契約率の推移
(出所)不動産経済研究所

(注)当該手引きは、2009年1月1日~同年12月31日までにマイホームに入居した方を主な対象としています。

住宅ローン減税を受けるための適用条件/新築住宅


  • 自己居住のための住宅を新築、あるいは新築住宅を購入し、新築あるいは購入した住宅の床面積(登記簿面積)が50平方メートル以上あること。なお、メゾネットタイプなど複層階構造の場合は、全フロアの延べ床面積を起算とする。
  • 上記床面積の2分の1以上が、専ら自己の居住の用に供されること
    (店舗併用住宅などの場合は注意)
  • 償還期間が10年以上の借入金を有すること
  • 控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下であること
    (サラリーマンなどの年収に換算すると約3336万円)
  • 取得後6カ月以内に入居し、2009年12月31日まで引き続き住んでいること
  • 配偶者(婚約者を含む)や同居の親族から購入した住宅でないこと
  • 給与所得者が使用者(会社)から使用人である地位に基づいて時価の2分の1未満の価格で譲り受けた住宅でないこと
  • 建物の取得を伴わない、土地だけの取得は対象にならない
  • 認定長期優良住宅の新築などに係る住宅ローン減税の特例を適用する場合は、認定長期優良住宅であると証明されたものであること

注意点として、たとえ償還期間10年以上の借入金でも、両親など身内からの借り入れは対象になりません。勤務先から社内融資を受けた場合など、その利息が無利子または1%に満たない利率の場合も適用外となります。「利子補給を受けている」とみなされるからです。

また、「床面積50平方メートル以上」という条件は、パンフレット記載の面積(壁芯面積)ではなく登記簿上の面積で起算しなければなりません。そのため、壁芯面積で50平方メートルちょっとしかないと、登記簿面積では50平方メートルを下回る可能性があります。この場合、住宅ローン減税が一切受けられなくなりますので、十分ご注意ください。