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社会・介護福祉士法改正案の内容について(2ページ目)

平成19(2007)年度通常国会で、社会福祉士及び介護福祉士法改正案が審議されています。4月26日には参議院厚生労働委員会で、一部修正され、附帯決議付きで可決されました。その内容について要点を伝えます。

執筆者:宮下 公美子

□■専門介護福祉士(仮称)について■□ 
「専門介護福祉士」とは、重度の認知症や障害などへの対応、管理能力などの分野において、より専門的な対応ができる人材に与えられる認定資格、というイメージ。資格取得後に一定の実務経験を積み、研修を行った上で認定していくという案が示されており、有識者、関係団体による作業チームにおいて、現在、詳細を検討中とのことです。

□■介護職員基礎研修の取扱いについて■□ 
介護福祉士の教育カリキュラムの見直しを受け、介護職員基礎研修の内容を見直し、その結果を踏まえて、どのような道筋で介護福祉士国家試験受験資格を与えていくかを検討する予定とのこと。

平成18(2006)年12月に発表された「介護福祉士制度及び社会福祉士制度のあり方に関する意見」に書かれていた、「介護職員基礎研修課程修了者は、2年以上の実務経験を経た場合に国家試験の受験資格を付与する仕組みとすべき」という取扱いについては、改正法案ではまったく触れられていません。

この背景には、介護職員基礎研修は、ヘルパー2級など取得済みの資格と実務経験年数によって、大幅な受講免除があり、実務経験3年以上+600時間の養成施設という実務経験ルートと比べると、教育が不十分になる恐れがあるという批判が出たことが影響したもよう。

現在は、誰もが一定水準以上の養成課程を経て国家試験を受験する、という今回の改正理念に照らして、介護職員基礎研修の研修内容をさらに充実させたうえで(つまり、研修時間が今より長くなる)、3年よりは短い実務経験で受験できるようなルートをつくるべき、という意見が出ているようです。

3Pめで紹介している附帯決議には、「本改正による介護福祉士の資格取得方法の見直しに併せて、介護報酬の見直しなど制度面を含めて介護福祉士の社会的評価に見合う処遇の確保につながる施策の推進に努めること」と明記されています。本当にその通り実行してほしいものです。

社会福祉士に関する改正案

□■資格取得方法の見直し■□ 
福祉現場における高い実践力を有する社会福祉士を養成するための資格取得方法の見直しを行う、とされています。

○福祉系大学ルート……現行:福祉系大学等で指定科目履修 
→ 見直し案:福祉系大学等で指定科目履修(実習等に基準設定)
※新しい教育カリキュラムの実施に併せ、平成21(2009)年4月1日に施行予定

○養成施設ルート……現行:養成施設1年以上(1050時間) 
→ 見直し案:養成施設1年以上(1200時間程度)

○行政職ルート……現行:児童福祉司等5年以上 
→ 見直し案:児童福祉司等4年以上+養成施設6ヵ月以上(600時間程度)
※新しい教育カリキュラムの実施に併せ、平成21(2009)年4月1日に施行予定

□■社会福祉士の任用・活用の促進■□ 
○社会福祉主事から社会福祉士へのステップアップ 社会福祉主事養成課程を修了後、2年以上の実務経験がある方は、6ヵ月以上の養成課程を経れば社会福祉士国家試験の受験資格を得ることができる、とされています。指定科目履修により社会福祉主事任用資格を得ていると認められる、いわゆる「3科目主事」は、実務経験を積んでも受験資格は与えられません。
※新しい教育カリキュラムの実施に併せ、平成21(2009)年4月1日に施行予定

○身体障害者福祉司等の任用資格の見直し 身体障害者福祉司、知的障害者福祉司等の任用資格として、社会福祉士を位置づける、とされています。
※公布日に施行予定

>>次は【参考】附帯決議の内容
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