なぜこうも給与が低いのか?
いろいろな要素が絡み合っていると思います。大きな理由を考えてみます。●介護・福祉職の専門性に対する社会的評価が低い
介護福祉士、社会福祉士という介護・福祉の国家資格ができてから、まだわずか20年足らず。明治時代には名称が確立していた医師や、大正時代には養成校があった看護師と比べるとはるかに歴史が浅く、専門性を認められる土壌がまだできていない。
●介護保険制度、支援費制度などのしくみ、報酬設定に問題がある
公的保険制度下の事業は、報酬内で事業運営をしなくてはならず、しかも黒字を出せば報酬を下げられ、給与を引き上げる経営上の余裕がない。
●介護や福祉で儲けることに対して社会的批判の目がある
介護保険導入で介護が社会化されたとは言え、もともと、介護や福祉はボランティア精神のもとに行われていた事業であるかのような認識が社会的に根強い。そこで大金を稼ぐような働き方には批判的な目が集まりやすい。
●日本医師会、日本看護協会のような政治力のある職能団体がない
国会議員を輩出している両団体と比べると、介護、福祉系の職能団体の政治力、政治や行政に対する発言力が弱い。職能団体として、現場で働く職員を取り巻く環境を向上させるだけの力をまだ持てずにいる。
●介護・福祉職の質にばらつきがあり、全体として高給与をもらえるレベルが確保できていない
国家資格もでき、自己研鑽を重ねる介護・福祉職も増えている。しかし残念ながら、経験則だけに頼って知識、技術、情報を身につけようとせず、自分自身のスキルアップ、レベルアップを充分に心がけていない人も少なくない。そのばらつきゆえに、全体として給与水準を挙げるほどのレベルが確保できていない。
いかがですか?
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