異業種からの転職を考えているけれど、介護・福祉業界における「職場」ってどんなところかも良くわからない……という方も多いでしょう。応募先を探すでも、基礎知識は必要なもの。まずはどんな職場があるのかの種類とそれぞれの役割を簡単に理解し、仕事内容や職場についての基礎イメージを持ちましょう。

「特別養護老人ホーム」

特別養護老人ホーム

特養フロアで談笑中

略して特養。身体や精神に障害などがあって、家庭での介護が難しい、要介護1以上で65歳以上の高齢者が入所する施設です。入所者にとっては24時間介護体制が整った生活の場であり、終の棲家となります。所得に応じて支払に補足給付があるため人気が高く、全国での入居待機者が42万人(平成21年)とも52万人(平成26年3月25日 厚生労働省press release)とも言われています。

現在、全国の特別養護老人ホームの平均要介護度は3.88(平成22年 厚生労働省)であり、他のサービスに比べ重度です。さらに平成27年からは、入所条件が要介護3以上にしぼられるとか。今後は今以上に重度化してくることが予測されます。例えば要介護4のレベルでは排泄、入浴、移乗、移動などすべての動作に介助が必要で、認知症が進むと問題行動への対応スキルも必須となってきます。

職員として働くなら、日々の生活に寄り添う介護が中心となります。入所者を長い目で見て、じっくりと関わっていきたい、入所者一人ひとりの特徴に合わせその人らしい人生、快適な毎日を過ごして頂けるよう支えたい。また介護のスキルをしっかりと身に付けたいという人に合っています。

「介護老人保健施設」

老人保健施設

老健でリハビリ中

略して老健。マヒやけがの症状が安定した高齢者を、3ヶ月ごとに見直しを行いながら、自宅での生活を可能にするためにリハビリテーションを行う施設です。平均要介護度は3.28(平成20年 厚生労働省)で、家に帰れる状態にすることを目的にしているところが、特養との大きな違いです。しかし実際には、退所先が見つからない、家族の理解が得られない、稼働率を維持したいなどの理由で、入所が長期化している実態もあるようです。

職員として働くなら、「退居」(本来入居者が望む生活スタイルを取り戻す)という明確な目標のクリアを目指すことで達成感を得たいという人に向いています。

また「改善」「復帰」を目的としている施設であることから、特養以上に看護師の配置が多く、リハビリを専門として担当する作業療法士や理学療法士の配置も必須となっているため、特に他職種間との連携が身につきやすい職場と言えるでしょう。

「訪問介護サービス事業者」

訪問介護事業所

訪問介護外出介助

地域に出向き顧客宅へ訪問する、いわゆるホームヘルプサービスを提供している事業者のことです。在宅生活を希望されている本人や家族に必要な介護サービスを提供していきます。掃除、洗濯、買い物、食事作りから入浴、排泄まで、下で述べる「居宅介護支援事業者」が作成するケアプランに沿ったサービスを提供します。

職員として働くなら、各々の家庭に入り一対一で接するという仕事内容であることから、臨機応変な対応ができる人、高齢者とじっくり向き合いたい人に向いているでしょう。また時間を守って訪問する、入居者のテリトリーで仕事をさせて頂く意識や家族、近隣の方々への適切な対応など、社会人としてのマナーが求められます。

また平成23年より誕生した「サービス付き高齢者向け住宅」(通称“サ高住”)は、訪問介護事業所を併設しているところが多く、訪問介護員のあらたな活躍の場になっています。訪問先が1カ所の建物に集中するため、施設のように24時間交代勤務でその住宅の入居者に対し介護を提供するスタイルが増えています。

「居宅介護支援事業者」

居宅介護支援事業所

ケアマネ打ち合わせ

ケアマネジャーによるケアプラン作成を行う事業者で、一人ケアマネとして居宅介護支援事業を始めることが可能です。ただ収入にあたる介護報酬に限りがあるため単独運営はなかなか難しいとも言われています。そのため多くはホームヘルプサービス、訪問入浴サービス、配食サービス、福祉用具レンタル・販売、デイサービス、住宅改修、特養など、いくつかの事業と複合的に運営されています。

職員として働くなら、ケアマネジャーを中心に、さまざまな人が繋がっているイメージが大切です。利用者の様子を客観的に捉えつつニーズをくみ取る分析力、適したサービスが受けられる段取りをする段取り力、それを滞りなく提供すべく様々な事業者や行政とネットワークを構築する連携力が求められる業種です。