疑問を感じる調査員の養成

現在、介護保険事業では、給付の適正化とともに、要介護認定調査、審査の適正化も進められています。そこで調査員に求められているのは、ビデオカメラのような目で調査してきたことを、特記事項に書いて再現することです。

ものの見方、とらえ方は人によってかなり差があります。しかし認定調査員には、誰が調査に行っても同じように状態を把握して項目ごとに評価し、その把握した内容を誰にでもわかるように的確に伝えることが求められます。それはとてつもなく難しいこと。高齢者の身体、生活等についての相当の知識、観察眼、注意力、そしてまた、それを伝える表現力も必要です。

一方で、私が特に繰り返し注意されたのは、「特記事項を書き込みすぎないこと」。
私は詳細に伝えたいと思うあまり、A4サイズの特記事項記載用紙にびっしり書き込むことが多かったのです。これでは、毎回約30件の審査を行う審査員が事前に渡されても、読む気になれない。読んでもらえなければ意味がない。よくそう言われました。「字は楷書で大きく、書く内容は絞り込んで必要最小限に」。しかし、必要最小限とはいったいどの程度なのか。どこに的を絞って書けばいいのか。結局、私は1年間わからないままでした。ずっと書き込みすぎだったのかもしれません。

聞き取り技術、観察眼、注意力、表現力、要約力等々、さまざまな力が求められる認定調査員。それなのに、たった2,3週間の養成で現場に出ていいのだろうか、という疑問が今も私にはあります。私は1年間、調査員をやってもまだまだわからないことばかりでした。また、少しわかるようになってきたことにより、足りない部分が見えてきて、また悩む、ということもありました。

私が勤めていた自治体では、前述の通り、認定調査員は原則として最長5年間しか雇用されません。5年目の先輩たちは、たしかな目、判断基準を身につけていて、「ぶれない」調査をしていたのに。この方たちが退職すれば、調査員のレベル低下は免れないだろうと思ったものです。

果たしてそれでいいのか。
この自治体はそれでいいと考えているのか。
今も疑問に思っています。

※介護保険認定調査員の養成課程は自治体によって違います。この記事は私が勤務していた自治体での状況をもとにして書いています。こういう自治体もあるのだ、というとらえ方をしていただければと思います。

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