介護の仕事に本気で取り組むなら
「施設の介護職」を
特別養護老人ホーム、デイサービス、有料老人ホームなどの介護職、認知症の高齢者が暮らす小規模な介護施設であるグループホームなどの介護スタッフも、介護保険制度上は無資格でもOK。「介護福祉士有資格者」「ヘルパー2級以上」を募集しているところが多いのですが、求人難で「これから資格取得する人も歓迎!」「資格取得支援制度あり」などと書かれた求人広告も目につくようになりました。資格がないから無理だとあきらめずに、ぜひチャレンジしてみてください。ただし、最初から正職員採用というのは難しいので、そのつもりで。なぜ介護の仕事に本気で取り組むなら「施設の介護職」かといえば、高齢者が生活する24時間をフルにケアする施設では、介護のあらゆる場面に遭遇し、そこからはさまざまな知識、技術、情報を得られるからです。
たとえば、昼間、機嫌良く過ごしていた高齢者が、夜になって「眠れない」と徘徊したり、騒いだりするのはよくあること。昼間の過ごし方の影響が、夜、出ていることが考えられます。昼の過ごし方を再検討しなくてはなりませんが、機嫌の良い昼間の姿しか知らなければ、適切な介護計画を立てることはできません。
つまり、高齢者の丸1日の状態を見たことがないと、適切な介護はできないとも言えます。長く介護の仕事に携わりたいなら、一度は取り組んでほしい仕事です。
施設は職員数がある程度決まっていますから、新規オープンでない限り、本来、欠員補充程度の募集のはず。ところが、中には、介護職を常時募集している施設も。このような施設は、職員が定着せず、人の入れ替わりが激しいことも考えられます。面接の時に、こちらの話をよく聞きもせずに「とにかく早く来てほしい」などと言ってくる場合は、少し注意が必要でしょう。
その他、こんな職種も!
リフト付きで車イスごと乗ることができたり、座席が回転して足の不自由な人も利用しやすい福祉車両を使った介護タクシーの運転手や、契約した高齢者の家に食事を届ける配食サービスの配達員なども、普通自動車運転免許は必要ですが、介護系資格はなくてもOK。介護用品ショップ(福祉用具貸与・販売事業者)の販売員も、アルバイトやパート採用であれば、無資格OKのショップもあります。残念ながら、どれもそれほど求人ニーズは高くありませんが……。このように、無資格からでも仕事に就くチャンスはいろいろあります。でも、やはり資格を持っている方が就職はスムーズ。そのあたりのことは、【資格を取って介護の仕事に就こう!】の記事を見てください。
また、パート(非常勤)勤務希望の場合、「週3日以上、1日3時間以上からOK」というような求人に対して、「月水金の午前中だけ働きたい」と言って通るのは、求人側がどうしても来てほしいと思う、優秀なベテラン介護職の場合です。無資格・未経験、あるいは資格があっても未経験での就職活動では、勤務時間帯、休日、勤務日数など、できるだけ自分からは条件を付けずに求職活動をするほうが、スムーズに採用が決まると思います。