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採用するなら「引き出し」の多い人がいい(2ページ目)

あるデイケアの採用担当者に、好印象なのはどんな応募者か、電話の応対、服装、面接では何を見ているかなどを聞いて、気をつけるべきポイントをまとめてみました。

執筆者:宮下 公美子

■ステップ3/資格より中身。いろいろな「引き出し」を持つ人がいい■
 うちのデイケアの場合、介護スタッフの募集では、あえて資格不問にしています。これは門戸を広くして、いろいろな方に会ってその中からうちに合う方を採用したいという思いから。介護・医療業界での専門性が高い方は、その業界しか知らない、視野の狭い方も意外に多いのではないかと思います。そういう方よりは、むしろ他の業界を知っていて、資格や経験がなくても、これから介護の仕事に真剣に取り組みたいという意欲のある方を歓迎したいと考えています。

といっても、意欲だけ、というのではちょっと困ります。好奇心がある、打ち込んでいる趣味がある、人が好きなど、いろいろな自分なりの「引き出し」を持っている人がいいですね。たとえば、子供がいる、というのも引き出しの一つだと考えます。これは採用の際にはマイナスにもなりますが、子供がいることで、ものの見方が幅広くなるという利点を活かせば、プラスにもなりうると思うんですよ。

面接では、新聞を読んでいますか、ここまで来る途中にお花は咲いていましたか、というような、ちょっと介護とは関係がなさそうに思えることも尋ねるようにしています。これは、いろいろなことにアンテナをはっているかどうか、利用者さんと話す話題を見つけるための引き出しをたくさん持っているかどうかを見るためです。

そのとき、たとえば子供のいる方なら、子供さんと「花が咲いているね」と話しながら歩いていることで、季節や周囲への関心を自然と広げるようになっているかもしれません。

そうした生活を取り巻くさまざまなことに関心を持ち、生活を楽しんでいる様子が見える方だと、介護の仕事にも余裕をもって取り組めますし、楽しい話題を利用者の方に提供できるのではないかと思っています。

また、面接の際には、相手の目を見て話せるかどうか、きちんとした姿勢を保てるかどうか、きれいな言葉遣いで話せるかどうか、といったことも見ています。人と接する仕事ですから、相手にいい印象を与えることができる方かどうかも大切だと考えています。

もちろん、すべてをクリアしなければ採用にならない、というわけではないと思います。でも、「花が咲いていましたか?」と聞かれたら、ウッとつまってしまいそうな日々を送っている宮下は、心のゆとり、が介護の仕事には大切なのだな、と改めて感じました。資格より中身というのは、介護業界ではよく言われることですが、この採用担当の方の話にはとても説得力がありますね。

また、折りを見て、こうした採用担当の方の「なるほどな~」というお話を紹介したいと思います


■「介護・福祉業界の採用担当者は語る」記事シリーズ■
●第1弾/こんな人なら、即、採用!
●第2弾/採用の場面では、ここを見る!
●第3弾/この職種の採用ポイントはココ!

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