介護・福祉業界で働く・転職する/栄養士・管理栄養士の仕事

地産地消のキーマンとして期待される栄養士(3ページ目)

フードサービスで地元農産物を使った取り組みが進む兆し。農林水産省は地産地消の推進を強化、学校給食法は一部改正し給食での地場農産物の活用が盛り込まれました。今回は地産地消ついてご紹介します。

執筆者:大石 淳子


さまざまなフードサービスの現場ですすむ地産地消

地産地消
東京慈恵会医科大学附属第三病院、栄養部。院内や近隣の農産物を使い、食事を通して季節の移り変わりを患者様に届けたい
岩手県矢巾町では、農産物直売所を運営する(株)JAシンセラがコーディネーターとなり、学校給食で使用するパンと牛乳以外の食材を、町内の登録農家から納入しています。天候などにより不足した場合は、県内産、国産という順で調達。生産者と栄養士、同社が会議を開催し、出荷計画の予定にもとづき2ヶ月前に献立を作成しているそうです。野菜の皮むきやカットなどの下処理は、カッティング工場で加工した後、調理場に納入。子どもたちの農業への関心が高まり食べ残しが減少し、学校給食用として出荷することで生産者の生産意欲の向上にもつながったといいます。

そのほかの取り組みでは、東京慈恵会医科大学附属第三病院、栄養部(東京都狛江市)が、病院敷地内の夏みかんや梅、ぎんなんなどを使った食事の提供を始めました。また近隣の調布市、狛江市の農家から納入した食材を使い、食事を提供する計画を進めています。土地の食材を使ったことをメッセージカードに書き、食事に添えて提供するもの。

奈良県で農業と給食の連携をコーディネーターとして推進している、オフィスシンセニアン代表の勝本吉伸さんは、「納入された食材の形や品質などが希望していたものと異なる場合は、栄養士さんから遠慮のない意見を聞きたい。意見を交換したり感想をフィードバックすることで、品質向上や生産者のモチベーションアップに結びつき、お互いのためになる。」と話していました。

学校給食、社員食堂、病院以外でも、高齢者施設、保育園、弁当店、レストランなどさまざまなフードサービス現場の栄養士に、地域は協力を求めていると思います。栄養士側が主体となって市に相談することも可能。また安定した地場産物の供給、地場産物を得るのが難しい地域など、地産地消を進めるには課題があります。それらのコーディネーターとしても、栄養士は大いに活躍できるでしょう。

■関連情報
東京慈恵会医科大学附属第三病院
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