特定保健指導の開始で栄養士・管理栄養士の求人数が増加しています。実際に求人数の多い職種や求められるスキル、給与、そして最近よく聞く登録・派遣について、テンプスタッフ・フードスター株式会社代表取締役社長の中竹康彦さんと、同社キャリアアドバイザーの管理栄養士、小谷博子さんにお話をうかがいました。
最近増えている栄養士業務は?
テンプスタッフ・フードスター株式会社代表取締役中竹康彦さん。同社では、特定保健指導業務は社会人経験者にこそ活躍してほしいと考え、社会人の管理栄養士国家試験受験者を応援する取り組み、スカラシップを開催 |
中竹康彦さん:
求人数は保育園栄養士、メーカーでの試作調理、メニュー提案、品質管理、お客様相談、弊社での扱いは多くありませんが老健での栄養士、病院での管理栄養士が多いです。特定健診・保健指導開始前後で管理栄養士求人が増加しました。
地域や状況により差はありますが、時給換算で概ね、保育園の栄養士業務が1,200~1,300円、メーカーでの試作調理業務が1,300~1,600円、老健での栄養士業務が1,200~1,300円、病院での管理栄養士業務が1,600~1,800円、特定保健指導関連の管理栄養士業務は1,600~2,000円です。
■応募に必要な経験、スキル、求められる人柄などを教えてください。
中竹さん:
保育園、老健、病院での栄養士業務には給食業務、メーカーでの試作調理にはパソコンのスキルや調理実務、献立作成、提案経験が必要です。営業とのチーム活動も多いので外向性の強い方向きですね。特定保健指導関連の管理栄養士業務には栄養指導経験、パソコンスキル、会話力が求められています。
メーカーでの試作調理は、商品を活用したメニュー展開をバイヤーに提案する際に調理を行う業務です。競合商品との差別化をする、販促の業務ですね。外食向けのメーカーは外食企業の開発室に代わってメニューを提案することも増えてきているので、この業務には店舗で提供することを想定した対応力が求められます。製品を使用したメニューを季節ごとにアレンジすることも多いです。
■栄養士が作成したメニューが求められているということですか?
小谷博子さん:
そうです。今までの「料理が好きな人」という採用条件に加えて、「食材知識がある人」「食の安全面からも提案できる人」が求められるようになりました。また、「おいしければよい」という時代ではなくなってきているので、栄養バランスを考えたメニューを提案できる人が求められています。業務では数十食分の試作メニューを調理することもあります。栄養士は大量調理の経験もあるので、向いている職種ですね。栄養士側にも人気の職種です。
■栄養指導、スポーツ栄養関連では、どのような求人がありますか?
中竹さん:
特定保健指導の受託会社、医療機関での栄養指導はありますが、スポーツ栄養関連は多くはありません。特定保健指導と関連して、以前にスポーツジムの受付兼栄養相談というような求人が数件ありました。
次のページでは、「栄養士側に多いニーズ」についてご紹介します!