寝たきりで常時失禁→見守り歩行・布パンツへ

7ヶ月間寝たきりの95歳の女性。要介護5。重度の認知症で、興奮して大声を出すなど周辺症状が多く、聴覚障害もあってコミュニケーションはとりにくい。尿意、便意はなく常時失禁状態――。

このかたを、わずか7ヶ月でオムツを外し、職員に見守られながらニコニコとシルバーカーを押してコンビニに買い物に行けるようにしたのが、きたざわ苑の「日中オムツゼロ」の取り組みです。きたざわ苑では、2008年に入所者全員の日中のオムツ使用をゼロにしました。

参加者
100名程度入れる地域交流室はぎっしり。外のホールで、モニターから職員の報告を見つめる人もいた。

2009年2月11日にきたざわ苑が行った「日中オムツゼロ報告会」は、100人程度入れる会場が満員となり、別室でモニターから報告を聞く人もいるという大盛況。一般市民から介護関係者まで多くの人が詰めかけ、熱心に聞き入っていました。

世田谷区立きたざわ苑は、2001年4月に開園した特別養護老人ホームです。利用定員は100人で、現在の平均要介護度は3.9。要介護4、5のかたが65%を占めています。開設当時の入所者のオムツ使用率(以下、オムツ率)は約50%。入所者の重度化が進む中、トイレ使用への取り組みを進めていました。

2006年には、全国老人福祉施設協議会主催(老施協)の「介護力向上講習会」(全6回)へ参加。自立支援ケアやオムツはずし理論を学び、施設内での研修を通じて職員全体に知識の浸透を図ったと言います。これにより、2008年4月には、オムツ率が25%まで下がりました。

そして2008年9月、施設長が「日中オムツゼロ」を宣言。達成への本格的なスタートが切られました。11月には看護チームが下剤廃止に取り組み、12月に日中オムツゼロを達成したのです。

では、冒頭で紹介した、寝たきりで常時失禁のあるかたをどのようにして歩けるようにし、オムツをはずしたのか。

きたざわ苑の取り組みを