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ニチイ学館の事業建て直し報告(2ページ目)

介護保険導入直後、大混乱だった民間事業者たち。多拠点展開に失敗した大手のニチイ学館は、問題をどう把握し、改善して立ち直ったのか。ニチイ学館の北村俊幸氏の話をもとに紹介します。

執筆者:宮下 公美子

どのように方針を転換したか
ニチイ学館では、居宅介護支援事業(ケアプラン作成)、訪問介護事業、デイサービス事業のほか、訪問入浴事業、福祉用具販売・レンタル事業、配食サービス事業も展開しています。

このうち、デイサービス、訪問介護、訪問入浴の各事業における利用者の要介護度を調べたところ、下記のような分布でした。

◎デイサービス
要支援   10.8%   要介護3 17.5%
要介護1    28.9%   要介護4 10.8%
要介護2    26.3%   要介護5 5.7%

◎訪問介護
要支援   15.6%   要介護3 11.9%
要介護1   33%    要介護4 9.9%
要介護2   19.3%   要介護5 9.5%

◎訪問入浴
要支援   0.1%    要介護3 2.7%
要介護1   2.6%    要介護4 27.9%
要介護2   6.1%    要介護5 50.9%

つまり、当然といえば当然ながら、デイサービスは要介護度の低い人が利用し、訪問介護、訪問入浴と、どんどん介護度が高くなっていく。この点を踏まえて、ニチイ学館は、施策の転換を図ることになります。

【デイサービスへのシフト】
非常に大きな方針転換となったのは、訪問介護事業所を拡大から縮小に切り替え、デイサービスの拠点展開にシフトしたことです。

ニチイ学館のデイサービス拠点は、2000年3月期には26拠点、2001年9月期でもまだ28拠点でした。しかし、2001年通期で見ると、63拠点に増加。これが2002年中間期には一気に169拠点にまで増えます。

「一般に、高齢者は他の世代より保守的傾向が強い。一度サービスの利用を開始したら、事業者を変更せずに継続利用するケースが多いんです。つまり、要介護度の低い段階からサービスを利用してもらえれば、次第に1人あたりの利用増につながっていくわけです。

そこで、要介護度の低い高齢者を対象にしたサービスの充実、つまりはデイサービスの展開が有効だと考えました。デイサービスの拠点は、広告塔の役割も果たしてくれますし、地域に、すぐには撤退しない、という安心感も与えます」(北村氏)

【効率化】
その他、効率化などによって、収益の改善を図る計画についても話がありました。

◎拠点の統廃合
「デイサービス拠点に訪問介護事業所や福祉用具レンタルなどを併設することで、拠点単位の利益拡大を図りる」(北村氏)

◎社内イントラネットの構築
「全国の介護ステーションに共通のシステムを配備。事務スタッフを配置して、事務処理の効率化を図る」(北村氏)

◎スタッフの運用シフト再構築
「常勤職員の勤務時間とサービス提供時間を調べたところ、1人あたり160時間の勤務時間のうち、売上げが立っているのは60時間程度。それ以外の非稼働時間を効率化していきたい。

また、正社員の労働時間を変型労働とし、1カ月単位の就業時間を設定。週40時間労働で、1日4時間勤務、10時間勤務などの合計時間数が、週40時間を超えたら残業とするといった対応をしていきたい」(北村氏)

では、業績はどこまで改善されたのか。
次のページで見てみましょう。
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