介護・福祉の仕事をわかりやすく紹介する「もっと知りたい!」シリーズ。ホームヘルパーは3回に分け、1回目の今回は仕事内容を、2回目の未経験でもヘルパーはできる?では就職環境や給与、優秀なヘルパーとはどんな人かなどを、そして3回目のヘルパーの職場、どう選ぶ?では、どんな点をチェックすればいい事業者であるかどうかを判断できるかについて紹介します。
●介護報酬上の仕事の分類は?
ホームヘルパーの仕事は大きく分けて、「滞在型」と「24時間巡回型」があります。「滞在型」は、利用者の家に1~3時間程度に渡って滞在し、掃除や食事の支度など、さまざまなサービスを提供するというもの。一方、「24時間巡回型」は実働8時間の間に、1軒30分以内で10数軒の利用者を次々と回り、おむつ交換や安否確認などを行うサービスです。最近の求人は滞在型が多いので、ここでは滞在型の仕事を中心に紹介します。
これとは別に、介護保険上、ヘルパーの仕事は報酬額によって、掃除、洗濯、食事の支度などを行う「生活支援」、食事の介助、排泄介助、体位交換などを行う「身体介護」に分類されています。
●実際の訪問先で気を付けることは?
事業者によるけれど、新人ヘルパーはほとんどの場合、簡単な家事援助からスタート。最初は、コーディネーター(後述)が同行して指導してくれるはずなので、指示された手順通りに行えば大丈夫です。
ヘルパー講座で習った介護技術がちゃんとできるかな、と心配する人が多いけれど、実際、訪問先に行って多くのヘルパーたちが難しさを痛感するのは、介護技術より、むしろその場その場に合わせた臨機応変な対応。そもそも家庭の中に入って行うヘルパーの仕事は、その家庭のやり方に従ってサービスを提供することになるわけで、これが意外と大変。ヘルパーの仕事のほとんどすべてに「その家庭のやり方に従う」ということがついてまわるので、慣れるまではちょっと時間がかかるかも。
●ヘルパーに求められるものは?
賞味期限が切れた食材を、目の悪い利用者のためを思って捨てたら、あのヘルパーは人の家の食べ物をどんどん捨てて無駄にする、とクレームになったりすることも。自分のやり方や判断を持ち込む時には、きちんと利用者に説明し、あとでトラブルにならないよう、メモを残して帰るといった注意が必要。また、どういう言い方、態度であれば、利用者に満足してもらえるかを感じとる感受性、コミュニケーション能力も求められます。
→次のページでは、実際の動き方、登録制以外のヘルパーの仕事について
紹介します。