チャプター11からPWCグループ傘下になるまで
しかしながら、ここ2、3年は債務超過に陥るなど、経営不安がささやかれていたのも事実です。ついに、今年2月18日には、財務状態の健全化を目指してチャプター11(米連邦破産法第11条)の適用を申請したと発表しました。チャプター11は、日本で言う倒産とはだいぶニュアンスが違います。倒産して会社をたたむ手続きではなく、一時的に債権取立てをストップして再建のための計画を立てるものです。しかしながら、米国ベリングポイント社の日本法人であるベリングポイント株式会社のビジネスは好調でした。
経営不安のなかでも、「日本のベリングポイントが世界のベリングポイントを引っ張っているので、日本はどうにでも大丈夫」という個人的な談話をきいたこともあります。
チャプター11申請後は、ベリングポイントは自主再建のめざすのか、どこかに買収されるのか、いろいろなうわさがありました。一時、ベリングポイント日本法人をアクセンチュアが狙っているとニュースサイトに掲載されたりと、その行方が注目されました。
PWCグループ傘下に
その決着が、今回、PWCグループ傘下になるという形で明らかになりました。ただし、PWC傘下となるのは、日本法人のみ。つまり、米国ベリングポイントから日本法人のみが分離して、PWCグループに加わったのです。日本法人は、財務状態も健全で、今まで通りのサービスを引き続き提供すると表明しています。一方、米国ベリングポイントの今後は、まだ確定していません。引き続き、チャプター11のもとで、再建計画をすすめるということになっています。
PWCグループとは?
PWCグループとは、国際会計事務所のPricewaterhouseCoopersです。PricewaterhouseCoopersは、世界153ヶ国749都市に展開するグローバルファームで、日本では、PwC Japanとしてグループを形成しています。現在PwC Japanは、監査法人のあらた監査法人、コンサルティング及びトランザクションアドバイザリーのPwCアドバイザリー株式会社、税理士法人の税理士法人プライスウォーターハウスクーパース、HR関連のプライスウォーターハウスクーパースHRSの4法人で形成されております。正確には、このなかの、PwCアドバイザリー株式会社と経営統合を行うと発表。実際には、5月1日にベリングポイントが社名を変更、年内をめどにPwCアドバイザリー株式会社と経営統合というスケジュールがアナウンスされています。