転職は「マーケット」であることを再度、肝に銘じよ
前回の記事でも書きましたが、多くの転職者が自覚しているようでいて、自覚できていないのは、転職とはマーケットであるということです。大学受験や、資格試験などのように、自分が優秀であれば、合格できる、そういった絶対基準の試験ではありません。労働需要と供給がクロスするマーケットなのです。Sさんは、自分は社内で優秀と認められているし、ITコンサルであればいつでも転職できるだろうとたかをくくっていたところがあります。しかし、ひとたび景気が悪くなれば、スキル的に強力な強みのないSさんの経歴は、採用企業からみると魅力のないものになってしまっていました。
たしかにSさんは、一定の活躍はできるはずで、ITコンサルとしての素養は十分にあります。「素養のある自分がなぜ?」Sさんもそう思っているはずです。
しかし、いまマーケットでもとめられているのは、同業でコンサルティング経験があり、すぐにすべてができるひとのみなのです。相場の格言で、もうはまだなり、まだはもうなりというのがあります。転職のマーケットにも同じことがいえます。
Sさんのばあい、「まだ」だとおもっていたら「もう」だったといえましょう。もっと高く自分のキャリアが売れるとおもっていたところ、もう天井だったのです。