コンサルタントで働く/コンサルタントの転職ノウハウ

転職の時期を逸した大手SIer(3ページ目)

転職のタイミングを間違え、チャンスを逸したSさんの事例。タイミングによって転職の成否、あなたの将来もまったく変わってきてしまうのです。

執筆者:大石 哲之

リーマンショック後

Sさんは、業務コンサルタントとしての経験も十分ではなく、ITコンサルタントとしての経験も十分ではなく、戦略領域はやったことがなく、これは冷静にみても無理です。

ですが、昨年の夏までの好景気の状況では、Sさんくらいの経験があれば、およそどのITコンサルティングファームであっても、受け入れの余地がありました。年俸面では調整が必要な面がありましたが、転職は容易なほうだったと思います。まずは、プロジェクトマネジメントで力を発揮していただき、専門性を磨いていくという方向のキャリア構築が可能だったとおもいます。

しかし、Sさんは転職の話はするものの、いつでも転職できるという自信があるのか、実際に行動に移すということはなかったのです。

そしてリーマンショックがやってきた

そして、リーマンショックがやってきました。転職市場が冷え込んでしまった4月ごろ、Sさんは、転職したいということをもらしました。理由としては、自分の会社もかなり景気が悪くなっており、希望していたプロジェクトではないものをやらされているようなのです。

Sさんも市況がとても厳しいということは理解していました。希望の大手ITコンサルに出してみるということでした。しかし、現在の採用基準だと、その会社の採用は厳しい。結果3社応募してみたところ、すべて書類落ち。Sさんはショックをうけて、その後転職活動も取りやめて、もんもんとしたモードに入ってしまいました。

本格的に景気が回復するのはいつかはわかりません。仮にあと2年かかるとすると、2年後にはSさんは年齢的にも転職にはぎりぎりの年齢になっています。その間に濃い経験をつめるわけでもないようですし、2年後仮に、ITコンサルに転職しても、2年前と同じ給与、同じランクでの転職になってしまうでしょう。

その回り道感に堪えられるか・・

Sさんの場合、もうすこし素直に自分のスキルを冷静にたな卸しし、チャレンジしていくのであれば、もっとも得意なプロジェクトマネジメント系のところを武器に幅を広げられるコンサルティング会社で、知名度などを気にせず、現在採用しているところに、実をとってチャレンジしていくしかないでしょう。
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