「残高証明書」発行後の“繰り上げ返済”には注意!
なお、その際に注意しなければならないのが、「借り入れしている住宅ローンの本数分の証明書」すべてが確定申告時には必要となるということです。たとえば、フラット35と民間銀行から融資を受けていれば、それぞれのローンに対する残高証明書、つまり2通(2本分)が必要になるということです。
また、残高証明書に記載されている金額にも注意が必要です。というのも、当該証明書の記載金額は、償還表に従って返済した場合の年末時点のローン残高です。事務手続きの関係で残高証明書は12月31日以前に発行されるため、記載金額はあくまで“予定額”となっています。そのため、同証明書が発行された後に繰り上げ返済を行うと、「残高証明書に記載された金額(残額)」と「年末時点の実際のローン残高」が異なってしまい、その結果、トラブルの原因となることが心配されるのです。
冬のボーナスを繰り上げ返済に充てることは大賛成ですが、タイミングには十分、注意が必要ということです。もし、繰り上げ返済してしまった方は、各金融機関から残高証明書を“再発行”してもらってください。記載金額を修正すれば問題は解決です。お心当たりの方は、早めに対処しておきましょう。
新耐震基準に適合していることが証明された住宅とは?
次に、一定年数を超過した中古住宅を取得した場合の「耐震基準適合証明書」または「住宅性能評価書の写し」の取り扱いについて補足説明しておきます。
平成17年度の税制改正により、新耐震基準に適合していることが証明された住宅であれば、築年数に関係なく住宅ローン減税が受けられるようになりました。耐震安全性が備わった既存マンションであれば、築25年超でもローン減税の対象となったのです。それでは、どういう住宅が「新耐震基準に適合していることが証明された住宅」なのかというと、
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がそうです。耐震等級1以上に性能評価された住宅であれば、耐震基準適合証明書に代えることができるのです。一定年数を超過した中古住宅では、「耐震基準適合証明書」または「住宅性能評価書の写し」が確定申告時に必要となることを覚えておいてください。
経年住宅では所得税還付を受けるのに“ひと手間”余分にかかることになりますが、適用範囲が広がったことは確定申告者にとってプラス材料です。今後、日本ではさらに築年数の経過した住宅ストックが増えるだけに、耐震安全性に優れた住宅の供給増につながることも期待したいものです。
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