2. アルバイトで見つけた「ちょっと憧れる仕事」は料亭の女将
――卒業後はどうしてました?
「1年ほどアルバイトをしてました」
――どんなアルバイトを?
「いろいろやりましたが、イベントコンパニオンなど、人と接する仕事が多かったですね」
――そこで接客業の面白さを知った?
「というか、そこで、初めてちょっとした憧れみたいなものを感じる仕事と出会ったんです」
――それは何?
「料亭の女将です。コンパニオンとして料亭に出入りしたことがあるんですが、そこで女将の仕事を見て、なんとなく憧れたというか…。私は、やりたいことは見つかっていなかったものの、ずっと仕事はしたいなと思っていて、50代になっても生き生きと働ける女将っていいなって思ったんです」
――でも、その後、事務職に就いたんですよね?
「コンパニオンの仕事は楽しかったけれど、ずっとやる仕事でもないなとも思っていたし、それに、正社員になってほしいという親のプレッシャーが強くて(笑)。アルバイト先で友達になった子の紹介で、絵画を扱う会社に一般事務として就職しました」
――事務の仕事はどうでした?
「苦痛!(笑)。電話を取ったり、伝票を整理したりという仕事だったんですが、とにかく暇で。仕事もないのに、お客さんがいるとお茶を出すためだけに夜の9時、10時まで会社にいないといけなかったり。暇で、楽でお金がもらえるんだからいい仕事だと思う人もいるかもしれませんが、私とっては、暇なのは苦痛なだけでした」
アルバイトで憧れの仕事を見つけたものの、そこに向かって突き進むまでのパワーは生まれず、親の希望もあって事務職に就いた文さんは、そこで「暇な毎日は自分に向かない」ということに気づきます。