2.歌かお芝居か。選択を迫られて悩む日々
--音楽事務所ではどんな仕事を?
「歌が中心。ソロでCDも出したし、ドラマのエンディングやCMソングも歌いました」
--Elliさん的には楽しかった?
「いつも元気いっぱいに走り回るキャラを要求されて、しんどかった。でも、それ以上に違和感を感じたのは、常に、歌かお芝居か、どっちがやりたいんだと言われたことですね。私にとって表現するのは同じこと。どちらかを選ぶことができなかったんです。それに、歌に関しても作詞をさせてもらえるわけでもなく、いつも何かのための歌。なんか違うという気持ちがありました」
--それでその音楽事務所を辞めたんですね
「そうです。で、フリーでお芝居をする道も模索したんだけど、これはけっこう難しくて、アルバイトをしながらバンドを組んでオリジナルを作っていきました」
--まわりは何か言ってませんでした?
「年齢も20代後半になり、親はそろそろ普通の仕事に就いてくれるんじゃないかってひそかに思っていたみたいですよ。でも、私は全然そんなつもりはなかった。『これからはバンドだ~!』って感じでしたから(笑)。アルバイトは高級割烹の仲居さん。和服を着て働いてました。時給がよかったからその仕事にしたんだけど、バイト仲間にお芝居をやっている人が多かったりして、刺激はありましたね」
--ユニットグループ「ELLIS(エリ)」のデビューはデモテープがきっかけだったとか
「バンドはいろいろあって活動を辞めちゃったんだけど、その後、バンドでベースを担当していたコンちゃん(「ELLIS」のパートナーであり、ご主人でもある近藤洋史さんのことをElliさんはこう呼びます)と一緒に活動。そのデモテープがギタリストの森園勝敏さんの目にとまって、デビューすることになりました。それが私が30歳の時ですね」
--最初の音楽事務所を辞めてから5年ぐらいたってますよね。焦りとかはなかったですか?
「う~ん。私、動物的な勘を大事にしているところがあるんです。何かありそうって感じられたら、今はダメでも待っていられるタイプなんですよね」
ポリスターレコードから「TOMORROW」でデビューした「ELLIS」は、デビューの翌年、「千の夜と一つの朝」がフジテレビ系列「ウッチャンナンチャンのヤルならヤラねば」のエンディングテーマとなり、30万枚を超えるヒットに。順調にいくと思われたが・・・。