『医学部卒業、国家医師試験不合格』と同じ?

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過去問がない新設試験、さらに受験回数制限のプレッシャー
法科大学院は、法曹養成に特化した大学院だが、実際に法曹になるためには司法試験に合格しなければならない。
ある司法試験予備校の担当者A氏は、「法科大学院修了者で、新司法試験に合格できなかった人は、社会でどのように評価されるのか」と指摘している。A氏に「医学部を出ていながら医師免許を持っていない人をどう思いますか?」と聞かれ、考え込んでしまった。


医師国家試験の合格率が90%台なのに対し、現行司法試験の合格率は2~3%。単純に比較するのは無理があるが、それでも新司法試験不合格者の待遇はどうなるのだろうか?と。法科大学院設立当初、合格率は70~80%と言われていたが、現在では、新司法試験初年度は40%前後ではないか、と予測されている。『70~80%の合格率』を信じて進学した学生の混乱も記憶に新しい。


『三振博士』の恐怖


法科大学院は、専門職大学院に分類され、修了すると法務博士(専門職)という学位が授与される。しかし国家資格を持たない法務博士は、企業や社会でどのように評価されるのだろうか?冒頭にも述べたが、新司法試験の合格者が初年度では40%前後と言われており、このままだと、法務博士でありながら、新司法試験に合格できない人が大量に出てしまう。その受け皿に対する議論はまだあまり行われていないのか、ほとんど表には出てこない。

しかも、新司法試験において、5年間に3回受験しても合格できなかった人(3回振られた[不合格])と手元に残った博士号(法科大学院を修了すると法務博士)】を合わせて、俗に三振博士と呼んでいるようだ。

例え司法試験に合格できなかったとしても、法務博士が法科大学院で勉強してきたことは、評価に値するだろう。『三振博士』などと不合格者を切り捨てるような考え方を改め、例え国家試験に合格できなかった法務博士でも、法科大学院で学んだことを活かせる社会を望みたい。国はもちろん、企業や社会は、国家資格を持たない法務博士を積極的に活用する方策を早急に、そして真剣に講じるべきだ。


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