問題点その1:入学資格に異議あり!
文部科学省は、1999年に大学院入学資格の弾力化を発表しており、大学院入学資格は、緩和されてきました。例えば高専・短大卒業者についても、個別の入学資格審査により、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、22歳に達したものに、大学院への入学資格を認めたり(第70条第1項第6号関係)、学位を有する者や海外の大学卒業者で日本の4年制大卒者と同等の学力を有しているとみなされれば、大学院への入学を認めています。
【参照】高専・短大卒からの大学院受験
しかしながら、都立大学ビジネススクールは、入学資格として日本の大学を卒業した者をあげており、文部科学省の大学院入学資格の弾力化を全く考慮していない記述になっています。
まだ詳細もはっきり発表されていない状態ですので、もしかしたら大学院側でも入学資格緩和について考慮するかもしれません。直接学校側に交渉・問合せしてみる価値はありそうです。
問題点その2:英語力不問のMBA?
またMBAと言えば、多業種のみならず、世界各国から集まってきたビジネスマン達と知り合えるのも魅力のひとつですが、この都立大学ビジネススクールにはそれが期待できないかも。
その理由は前項目であげたように日本の大学を卒業した者が入学資格であり、また授業も日本語で行われるからです。
MBAコース進学の場合、例えば青山学院大学大学院国際マネジメント研究科では、出願資格としてTOEIC650点以上、国際大学大学院国際経営学研究科MBAプログラムでも選考方法としてGMATやTOEFLのスコア提出、英語での面接、小論文などが課されています。
国際大学大学院MBAプログラムでは、学生の6割は海外からの留学生とあり、日本にいながらにして、授業を通じて国際感覚を身につけることが出来ます。
しかし、都立大学ビジネススクールの場合、試験内容、カリキュラム内容のどこにも英語力が課されておらず、他のMBAスクールとはかなり違っている印象を受けます。
履修ガイドラインや寄付講座等の内容もまだ発表されていない状態なので、なんとも言えませんが、世界の東京、都庁舎内でのビジネススクール開講ですから、もっと世界から優秀な人材を募ってもいいのでは?という気がします。
半面、英語に苦労している人には朗報とも言えますが…。
問題点その3:まだ未確定、未発表
開校が2003年4月とすでに3ヶ月後に迫っていると言うのに、まだ詳細が未確定状態。選任教員も一部しか発表されておらず、ホームページに掲載されている情報はごくわずか。文部科学省との協議次第、ということらしいが、1月末には出願〆切で2月には試験、3月に合格発表と入学手続き、という強行姿勢には、不安を覚えずにいられません。本当に大丈夫?
大学院側には、早急の対応をお願いしたいですね。
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これは2002年12月31日現在の情報です。記事の正確性には万全を期しておりますが、詳細は募集要項を取り寄せるか、下記に直接お問い合わせ下さい。
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