建物完成時に行われる表示登記
不動産の登記は所有権や抵当権などを登記簿に記載し、土地や建物の権利関係を明らかにするための手続きです。家を買うときには登記簿に自分の所有権を登記し、住宅ローンを借りるときには金融機関の抵当権を登記します。マンション購入に必須な登記手続き
新築マンションの場合は建物が完成したときにまず、建物の所在地番や構造、床面積などを登記します。これを「建物の表示登記」といい、売主のデベロッパーが土地家屋調査士に依頼して行う手続きです。
所有権には保存登記と移転登記がある
所有権の登記は、初めて登記する場合が「所有権保存登記」に、売主の所有権が登記されている物件を買主に移転する場合が「所有権移転登記」になります。新築マンションでは建物の所有権を買主名義で初めて登記することになるので、建物については所有権保存登記の手続きが必要です。一方、土地については売主が所有していた土地の所有権を買主に移転することになり、必要な手続きは所有権移転登記です。なお、マンションのように一つの建物を複数の人が所有する「区分建物」の場合は、建物と土地が別々に処分できないように敷地権を登記する場合があります。敷地権は建物の登記簿に記載され、敷地権が登記された物件については土地の登記簿への記載は省略されます。
住宅ローン借り入れに必要な抵当権の登記
住宅ローンを借り入れるときには、金融機関名義の抵当権設定登記が行われます。抵当権とは仮に返済が滞った場合に、金融機関がそのマンションを差し押さえて競売などにかけることができる権利です。新築マンションの登記の手続きは、所有権と抵当権の登記を同時に行うのが通常です。あらかじめ必要な税金や費用を概算で支払い、引き渡し後に精算するパターンが多いようです。