三十路の大台を越えると、そろそろ周りで家を買うのがブームになってくるのでは…? でも、これから少子高齢化が進むと家を買う人が少なくなるとか、新築マンションが大量に売れ残るとウワサの「2005年問題」とか、なにかと先行き不透明な現代。

実際に売れ残りマンションが7割引で投げ売りされたなんて話を聞くと、「家なんか買ったって、住宅ローンに縛られて、挙句の果てに価格が暴落して身動きが取れなくなるのがオチ」と考える人もいるでしょう。たしかに賃貸暮らしなら好きな場所で自由に暮らせる気がします。とはいえ、本当に一生賃貸暮らしでも大丈夫でしょうか。

賃貸も持ち家も生涯の負担は大差ないが…


賃貸がトクか持ち家がトクか、簡単に比べてみましょう。まず家賃16万円の賃貸住宅に35年間住み続けたとすると、家賃の総額は「16万円×12カ月×35年」で6992万円(2年ごとの更新料込み)になります。これに敷金や礼金などの入居時の支出と35年分の共益費(月1万円)を加えると約7500万円です。

一方、3200万円の住宅ローン(金利3%、35年返済)を借りて4000万円のマンションを買ったとすると、毎月返済額は12万3150円(ボーナス返済なし)、35年間の総返済額は「12万3150円×12カ月×35年」で5172万3000円です。これに入居時に支払う頭金と諸費用を加え、さらに入居後に支払う管理費や修繕積立金、固定資産税などの税金を加えると、トータルで7600万円強になります。



実際には家賃やローン金利が変動したり、管理費や固定資産税などが物件により大きく異なったりするので誤差はありますが、35年間の負担では大差ないということもできるでしょう。


お年寄りに冷たい賃貸住宅!?


高齢者が新たに賃貸物件を探すことは、簡単なことではないようです。
ただし、持ち家の場合は住宅ローンが終わると負担が急に軽くなりますが、賃貸ではずっと家賃を払い続けなければならないという違いがあります。若いうちからコツコツと老後資金を蓄えておけばいいかもしれませんが、国の年金財政が破綻しかねないといわれるなか、わずかな年金収入から家賃を払っていけるかどうか不安が残る人も多いでしょう。

なにより、賃貸住宅のオーナーは高齢者に部屋を貸すのを敬遠しがちなので、住める家そのものが確保しにくくなるという問題があるのです。国ではこうした問題を解消するため、2001年に「高齢者の居住の安定確保に関する法律」を制定し、高齢者でも借りられる住宅に補助金を出すなどの政策を打ち出しています。とはいえ、2000年に約680万世帯だった高齢者の単身・夫婦世帯が、2015年には390万世帯増えて約1070万世帯に達すると予測されており、すべての高齢者が安心して賃貸住宅に住めるようにするのはかなり困難と言わざるを得ません。

それでは、「持ち家」の方が良いのでしょうか…?次ページで解説しましょう。