8月の世界同時株安では、緊急利下げを行って危機を救ったのがアメリカのFRB(連邦準備銀行)でした。このFRBですが、名前はよく出てきても、どんな銀行なのか知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?

【CONTENTS】
実は3つある?!FRBとつくもの(1P目)
金融政策の決定機関―FOMC(連邦公開市場委員会)(2P目)
世の中に流通するお金の量を調節―公開市場操作(2P目)
FRBにも株式がある―加盟銀行との関係(3P目)
これが本当に最も大切な業務?―ドル紙幣の発行(3P目)

実は3つある?!FRBとつくもの

<3つのFRBの関係図>
3つのFRBの関係図
FRB(連邦準備制度理事会)はFRB(連邦準備銀行)を統括し、それらの制度全体をFRB(連邦準備制度)と呼ぶ。
最初の部分では「FRB(連邦準備銀行)」と書きましたが、実はFRBというものには3つあるのです。そこが、FRBについての理解を難しくしている1つの要因でもあるのでしょう。

1つ目のFRBは、最初のお話した連邦準備銀行、英語の綴りはFederal Reserve Banksとなるものです。これは名前の通りアメリカの中央銀行で、日本銀行のように首都に本店がある形態ではありません。連邦準備銀行は12の支店から成り立っていて、それぞれの管轄地域には第1地区から第12地区まで番号が振られています。

2つ目のFRBは、連邦準備(制度)理事会、英語ではFederal Reserve Boardと呼ばれるものです。FRBの中でも一番よく目にするのは、このFRB(連邦準備制度理事会)ではないかと思われます。これは中央銀行としての連邦準備銀行の最高意思決定機関で、構成員は7名の理事となっています。

理事は上院の承認を得て大統領が任命することになっています。その中でも最も大きな権限を持つのが議長で、次に来るのが副議長です。ニュースでよく出てくる「FRB議長」というのはこちらの議長のことで、現在ではベン・バーナンキ氏が務めています。

3つ目のFRBは、連邦準備制度です。これは英語ではFederal Reserve Systemで、略すとFRSになります。それなのになぜFRBの3つ目?と疑問に思われる方もいるでしょう。

Federal Reserve Systemを普通に略語にすると確かにFRSで、それが正式な名称なのですが、慣習的にFRBという言葉が連邦準備制度を指すことも多いのです。連邦準備制度とは、1つ目の連邦準備銀行や2つ目の連邦準備制度理事会などを全てひっくるめた、アメリカの中央銀行制度全体を指しています。

その制度全体が、FRBという言葉によって表されることも少なくありません。結局のところ、3つのどれを取ってもアメリカの中央銀行を指すのですが、どれも微妙な違いがあるのです。

→次ページでは、FRBの最も大事な機能であるFOMCについてお話します。