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落下防止エレベータの発明で市場を開拓(2ページ目)

エレベーターに挟まれて死亡する事故のニュースは、安全神話に大きな影響を与えた感がある。この安全性を体を張った実演で見事にアピール。今日のエレベータ事業の繁栄を築いた発明家がいた。

執筆者:木村 勝己


人々の頭上でエレベーターのロープを切る

1854年、ニューヨークのクリスタル・パレス博覧会。大勢の人々の頭上にガイドレール、ラッチェット、スプリング、台、巻き上げ機械の付いたエレベーターの箱が設置された。ロープだけで吊り下げられた箱には一人の男性が乗っていたが、群衆の前で頭上のロープが斧で切断される。人々はハッと息を飲んだ。

だが、箱はわずかに降下した後、ぴたりと停止した。箱に乗っていた男性は誰あろう、オーティス発明者本人であった。彼はその安全性について、体を張って見事にアピールしたのである。

1857年 ニューヨークのブロードウェイに建てられたホテルに、オーティスの蒸気で運転されるエレベーターが初めて採用された。これにより眺望のよい上層階は多くの人に人気を呼ぶようになってきた。

1889年 オーチス・エレベータ社は世界で初めての電動エレベーターを開発。ニューヨークのビルに採用された。以降、ニューヨークには高層ビルの需要が生まれ、現在のニューヨークの摩天楼が観光案内に登場するようになってきた。 現在オーチス・エレベーターは世界最大の総合昇降機メーカーとなっている。

日本で最初のエレベーターは、1890年11月にオープンした浅草の凌雲閣に設置され、その後1896年に日本銀行に設置された。現在、日本オーチスには松下電器が資本参加しており、直接販売ルートと松下電器経由で販売するルートがある。

<関連リンク集>

日本オーチス・エレベータ
http://www.otis.com/otis/1,1352,CLI57_RES1,FF.html

実用化途上の新技術
http://allabout.co.jp/career/invention/subject/msub_tech.htm

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