画像は無線で対外へ
患者は無線による受信機をベルトにより腰に装着し、カプセル型内視鏡を飲み込む。カプセルは食道から胃を経由し小腸に達し、曲がりくねった内部を撮影する。小腸を通過するまでの長時間の撮影はバッテリーの容量に依存する部分があり、1秒間に2枚の画像撮影スピードとなっている。これは0.1mm以下の異常も映し出すことができるそうだ。約8時間で撮影は終了しその後トイレで排出される。排出後の処理が心配だが今後の課題ということだろう。
撮影された画像は腰に装着された受信機に無線で送信され、レコーダに保存される。ここではカナダの半導体メーカー Zarlink Semiconductorの省電力ワイヤレス技術(RFトランスミッタ)が採用されている。
撮影中は自由行動
撮影中も家事などの日常生活を支障なく送ることができる。M2Aはすでに欧州や米国で認可を受け販売が開始されており、既に米国では8万件の検査を行ったということである。1個の値段は約5万円だそうである。日本でも現在認可を申請中であり、2002年4月には、Given Imagingの日本法人も設立されている。
オリンパスもカプセル型内視鏡の開発
全方位誘導の原理図。東北大学電気通信研究所の荒井・石山研究室と共同で研究。写真:オリンパス
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このカプセル型内視鏡は直径11mm、長さ26mmのプラスチック製でできており、CCDカメラと無線送信機構を持ち、外部モニターで観察できる。
任意方向の磁場によって回転磁界を作り出し、カプセルを回転させることでカプセルを自在にコントロールする、全方位誘導システムの研究も進んでいる。前進・後進や進行方向を自在にコントロールできるので、ポイントを絞った観察ができる。
そして次ページのような開発のロードマップが描かれている。