買っていい人の条件とは?
金利上昇にもあわてず、まずは住宅ローンを完済できるかどうかを冷静に見きわめたい |
まず今、マンションを買っていい人とはどんな人か。ざっと条件を挙げると以下のようになります。
・将来にわたって返済能力に余裕がある人
・頭金を住宅価格の2割以上用意できる人
・定年まで安定した収入が期待できる人
・家族構成の変化について見通しが立っている人
・金利が今より1~2%アップしても返済できる人
・ローンを返しながら貯金もできる人
・家計を管理してむだ遣いを抑えられる人
資金計画を工夫すれば「買っていい人」になれる
逆に上記の条件にひとつも当てはまらない人は、今買うとローン返済が行き詰まる可能性が高いといえるかもしれません。本当に今買う必要があるのか、もう少し待って返済能力や将来の見通しがついてからでも遅くないのではないか、など検討する余地はありそうです。とはいえ、絶対に今買わない方がいいというわけでもありません。不利な条件のある人は、それをカバーするよう資金計画で工夫すればよいのです。ある程度の収入と貯蓄、それに資金計画の工夫があれば、だれでも「買っていい人」になれるでしょう。では、以下に具体的な3世帯の例を挙げて資金計画上の工夫について考えてみます。
キャンペーンの3年固定は3年後が怖い
まずは頭金が少なめでギリギリの予算なので全額を3年固定で借りる資金計画を立てたAさんファミリー。キャンペーンを使えば1.40%と超低金利ですが、キャンペーン期間が終わる3年後に仮に金利が1%アップしていたとすると、3.40%に急上昇してしまいます。毎月返済額は3万円近いアップです。これでは3年後が怖くておちおち寝てもいられません。■ ギリギリの予算なので3年固定で資金計画を組んだAさん(ファミリー)
家族構成/夫30歳(年収600万円)、妻30歳、子ども2歳
購入マンション/75 m2、3LDK、価格3500万円、頭金500万円
〈当初の資金計画〉
当初3年間 | 4年目以降 | |||||
種別 | 借入額 | 返済期間 | 金利 | 毎月返済額 | 金利 | 毎月返済額 |
3年固定 | 3000万円 | 35年 | 1.40% | 9万0393円 | 3.40% | 11万9580円 |
※※3年固定はキャンペーンを利用し、3年後に店頭金利が1%上昇した3年固定を再び借りたと仮定(以下同)
そこでAさんの資金計画を改良し、借入額のうち価格の8割分にあたる2,800万円をフラット35で借りるプランを考えてみました。フラット35は完全固定金利なので途中で金利が上がる心配がありません。残り200万円を3年固定とすれば、金利が上がっても返済額のアップは2,000円以下です。フラット35の金利が3%とやや高めですが、4年目以降は当初の資金計画より返済額が軽くなる可能性があります。
〈見直し後の資金計画〉
当初3年間 | 4年目以降 | |||||
種別 | 借入額 | 返済期間 | 金利 | 毎月返済額 | 金利 | 毎月返済額 |
フラット35 | 2800万円 | 35年 | 2.25% | 9万6386円 | 2.25% | 9万6386円 |
3年固定 | 200万円 | 35年 | 1.40% | 6026円 | 3.40% | 7972円 |
計 | 3000万円 | --- | --- | 10万2412円 | --- | 10万4358円 |
次ページではファミリーとDINKSのケースを見ていきましょう。