マンション購入術/マンション購入関連情報

今、マンションを買っていい人、ダメな人

ローン金利が上昇すると、「金利が高くならないうちにマンションを買おう」と思う人も増えるでしょう。でも、自分が今買ってローンが完済できるのかどうか、資金計画の見直しも含めて冷静に判断する必要があります。

大森 広司

執筆者:大森 広司

マンション入門ガイド

買っていい人の条件とは?

ファミリー
金利上昇にもあわてず、まずは住宅ローンを完済できるかどうかを冷静に見きわめたい
住宅ローン金利が上昇してくると、「金利が高くなって手が届かなくなる前にマンションを買おう」と考える人が増えるものです。でも、自分の返済能力や将来のライフプランに合った資金計画を組まないと、買った後で返済が苦しくならないとも限りません。数十年にわたるローンを完済できるかどうか、冷静に判断する必要があるでしょう。

まず今、マンションを買っていい人とはどんな人か。ざっと条件を挙げると以下のようになります。

・将来にわたって返済能力に余裕がある人
・頭金を住宅価格の2割以上用意できる人
・定年まで安定した収入が期待できる人
・家族構成の変化について見通しが立っている人
・金利が今より1~2%アップしても返済できる人
・ローンを返しながら貯金もできる人
・家計を管理してむだ遣いを抑えられる人


資金計画を工夫すれば「買っていい人」になれる

逆に上記の条件にひとつも当てはまらない人は、今買うとローン返済が行き詰まる可能性が高いといえるかもしれません。本当に今買う必要があるのか、もう少し待って返済能力や将来の見通しがついてからでも遅くないのではないか、など検討する余地はありそうです。

とはいえ、絶対に今買わない方がいいというわけでもありません。不利な条件のある人は、それをカバーするよう資金計画で工夫すればよいのです。ある程度の収入と貯蓄、それに資金計画の工夫があれば、だれでも「買っていい人」になれるでしょう。では、以下に具体的な3世帯の例を挙げて資金計画上の工夫について考えてみます。


キャンペーンの3年固定は3年後が怖い

まずは頭金が少なめでギリギリの予算なので全額を3年固定で借りる資金計画を立てたAさんファミリー。キャンペーンを使えば1.40%と超低金利ですが、キャンペーン期間が終わる3年後に仮に金利が1%アップしていたとすると、3.40%に急上昇してしまいます。毎月返済額は3万円近いアップです。これでは3年後が怖くておちおち寝てもいられません。

■ ギリギリの予算なので3年固定で資金計画を組んだAさん(ファミリー)
家族構成/夫30歳(年収600万円)、妻30歳、子ども2歳
購入マンション/75 m2、3LDK、価格3500万円、頭金500万円
〈当初の資金計画〉
      当初3年間 4年目以降
種別 借入額 返済期間 金利 毎月返済額 金利 毎月返済額
3年固定 3000万円 35年 1.40% 9万0393円 3.40% 11万9580円
※金利はみずほ銀行の8月実行金利(以下同)
※※3年固定はキャンペーンを利用し、3年後に店頭金利が1%上昇した3年固定を再び借りたと仮定(以下同)

そこでAさんの資金計画を改良し、借入額のうち価格の8割分にあたる2,800万円をフラット35で借りるプランを考えてみました。フラット35は完全固定金利なので途中で金利が上がる心配がありません。残り200万円を3年固定とすれば、金利が上がっても返済額のアップは2,000円以下です。フラット35の金利が3%とやや高めですが、4年目以降は当初の資金計画より返済額が軽くなる可能性があります。

〈見直し後の資金計画〉
      当初3年間 4年目以降
種別 借入額 返済期間 金利 毎月返済額 金利 毎月返済額
フラット35 2800万円 35年 2.25% 9万6386円 2.25% 9万6386円
3年固定 200万円 35年 1.40% 6026円 3.40% 7972円
3000万円 --- --- 10万2412円 --- 10万4358円

次ページではファミリーとDINKSのケースを見ていきましょう。

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます