東京池袋にあるトヨタのショールームではミニシアターがあり、ここでは映像のシーンに合わせて、観客の座っているシートに香りが降り注いで来るものがあった。例えば主人公がある女性とすれ違う場面では、香水の香りが観客に伝えられるのである。通信ではないが香り伝達方法の試みとしては面白い。
資生堂は香水の香りをインターネットで伝送し、自宅のパソコンから確認できる装置の研究をしている。現在は公共施設でのデモがメインのようだ。
パソコンに接続した香り発生器(フランステレコムの日本研究所でのデモ)写真提供:株式会社 逓信
フランステレコムもインターネットを使った香り伝送の研究をしている。実験用Webサイトに接続して、画面に表示されている画像をクリックすると、その画像に合った香りが発生するものである。
香りサンプルからの再生
これらの仕組みはまだ単純なものである。受信側のパソコンに数種類の香りのビンが入った香り発生機を接続する。ユーザーがWeb上の香水のサンプルから、あるサンプルをクリックすると、サーバー側から該当サンプルの情報がパソコンに送信され、パソコンに接続された香り発生機に伝えられる。
香り発生機からは内臓のファンにより、該当のビンに送風してWebの画像に合った香りを発生させる。