● レオナルドは兵器に関しても多くの手稿を残している。
その一つは投石砲である。巨大な弓の構造をしたものであり、弦を歯車を巻き上げることで弓を引き絞り石を飛ばすものだ。投石砲を載せた車輪が安定を得るため下部が開く形で傾斜している。これは現在の放射にも採用されているそうだ。
● 飛行機の研究は1505年頃からである。鳥の飛翔の研究を行い、人間が腹ばいになってコウモリの翼に似た羽ばたきの飛行機を作ったのである。筋力の問題で飛べなかったが、これはグライダーに発展している。
温められた空気が軽くなることや、空気の抵抗を減らすために物体を流線形にすれば良いことも記されている。
● 空中脱出用パラシュート、垂直離着陸用ヘリコプターも考案している。これはプロペラが螺旋階段のような形をしているものであり、皆さんも良く目にしていることと思う。これらは実にガリレオやニュートンの近代科学からさかのぼること150年前、ライト兄弟のエンジン機の初飛行より400年前である。
ほかに、糸巻き装置、金箔捺し機、荷物用巻き上げ機、円筒内面研磨機、足踏み式製粉機、丸太穿孔機、荷物の着脱装置などの考案があるようだ。その内容を想像するだけでも楽しくなってくる。
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