マンションのゲストルームを活用する方法も
30分以内くらいの距離感なら気軽に行き来できる |
近居の場合はわざわざ泊まりがけでお互いの家を訪問する必要がないので、相手世帯を寝泊まりさせるための部屋はなくてもかまわないでしょう。ただ最近の大規模マンションやタワーマンションはゲストルーム付きの物件も多いので、そうしたスペースを活用すれば、それぞれの生活を尊重しつつ泊まりがけで訪問し合うことも可能です。
親と子が住まいを交換するという選択肢もある
近居の典型的なパターンとして、一戸建てに住む親世帯と同じ最寄り駅の徒歩圏に、子世帯がマンションを買うケースが上げられます。親の団塊世代がバス便の一戸建てに住んでいるなら、駅の近くに子どものマンションがあるといろいろと便利でしょう。買い物のついでに気軽に孫の顔を見に立ち寄ることもできそうです。
ただ、駅の近くは住宅価格も高めなので、若い子世帯だとあまり広いマンションが買えないかもしれません。その場合、子どもが成長してマンションが手狭になったら、思い切って親と住まいを交換する方法もあるのです。
親世帯にとって駅に近いバリアフリーのマンションはラクで便利でしょう。一方の子世帯にとって郊外の庭付き一戸建ては子育てするのに適した環境と言えます。この場合、お互いに家賃などを払わなくても贈与税などの心配はいりません。
もう一方の親世帯への配慮も忘れずに
メリットのある近居ですが、注意すべき点もあります。まずお互いに頼り過ぎないこと。特に小さい子どものいる子世帯は、育児の手助けをしてくれる親世帯につい甘えがちです。親としても子どもや孫が喜ぶ顔を見るのは嬉しいものですが、毎日のように保育園の送り迎えや夕食の世話をしてあげるのは望ましい親子関係とは言えないでしょう。
子ども夫婦のもう一方の親世帯への配慮も欠かせません。同居や近居の相手は妻の親世帯のほうがうまくいくとも言われていますが、その場合は夫の親世帯との関係が疎遠にならないよう、子世帯が長期休暇を利用して夫の実家に遊びに行くなどのバランス感覚が求められます。また親世帯を子世帯が独り占めしてしまうと、ほかの兄弟との関係に支障が出ないとも限らないので注意が必要です。
こうした点に注意しながら良好な親子関係が築ければ、親子にとって近居は理想的な居住スタイルになることでしょう。
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