言葉の影響力とは

言葉の影響力とは

言葉の影響力とは

日本には「言霊」という単語があるように、古来から言葉には強力な霊力が宿っていると考えられています。ふだん、私たちが何気なく使っている言葉には、本当にそんなパワーがあるのでしょうか。もしそれが本当ならば、手取り足とりサポートしなくても、言葉だけで部下の能力を伸ばしたり、同僚を勇気付けたりすることができるということになります。それは本当に可能なのでしょうか?今回は、「言葉の持つパワー」に的を絞って考えていきましょう。
   

水が伝える言葉の力

こんな話を聞いたことがありませんか?「モーツアルトを聞かせると、脳波がα波に変わる」もしくは「クラッシックを聞かせると、牛の乳の出がよくなる」など。「植物に話しかけると、成長が早まる」というのは、実際にご自分で試したことがある方も多いのではないでしょうかこの現象を科学的に解明しようと実験を繰り返した結果は、「水」にあるとわかったそうです。

実験では、ある周波数の音の振動が水の状態を変える。だから、その水を与えた動植物が活性化されるのではないかという仮説を元に、精製水(混じりけの無い高純度の水)に色々な音を聞かせ、視覚的に観察できるように凍結させて結晶にしました。その結晶の写真を集めたものが、「水からの伝言」と題され、写真集として販売されています。この本は、実験結果の報告書であると同時に、人生の意味を考えるための指南書でもあると、3年ほど前に大流行しました。ご覧になった方も多いかもしれませんね。

ショパンの「別れの曲」を聞かせた水の結晶は、曲の通りに小さくバラバラとなり、あるへヴィメタルの曲を聞かせたらギザギザとした形にならない結晶になりました。(その曲には「殺せ」「ぶち壊せ」などの破壊的な歌詞が多かったようです。)

同じように、「ありがとう」といった言葉を与えた水は見事な結晶を結び、「死ね」「むかつく」と伝えた水は、結晶を結ぶことなく、こなごなになっていました。神々しいまでに一番美しい結晶を結んだのは、「愛」と「感謝」という言葉だったようです。

人体の70%を構成しているのは水分、つまり水です。あなたがふだん何気なく使っている言葉が、どれほどの破壊力と創造力を持っているのかを、この写真集は見事に教えてくれます。

故ジョン・レノン氏と共に世界中で「愛と平和」を訴え、今も尚活動を続けているオノ・ヨーコさんもこの写真集を推薦し、この本の帯に言葉を寄せています。我々は、どうしても、目に見えるものや、科学的な裏づけがあるものでないと信じることが難しいのですが、この本は言葉が持つ神秘的な奇跡を目に見える形でつきつけてくれます。
 

プラスの言葉、マイナスの言葉

あなたの口から発せられる言葉にはどんな力を持たせているのでしょう?考えた事、ありますか?

あなたの口から発せられる言葉にはどんな力を持たせているのでしょう?考えた事、ありますか?

武道の世界では、とにかく大きな声で返事をすることを繰り返し鍛錬をされます。圧倒的な上下関係の中、師範や先輩からの要求には、肯定的な返事「はい」のみです。それには、精神的な鍛錬のみならず、もう一つ理由があるのです。

ガイドの私は合気道の道場で、言葉がもたらす力がどれほどになるのかを知らしめる面白い鍛錬を見たことがあります。それに必要なのは、2人の人。1人の人は自分の腕を前方に向かって、まっすぐに伸ばします。もう1人は、自分の両手を使って相手の腕を肘のところで曲げようとします。2人とも同じ位の体格であれば、腕は簡単に曲がるはずです。なぜならば、伸ばす方は1本の腕で、曲げる方は2本の強い力で挑むからです。

では、最初の人が腕を伸ばす時に、肯定的な言葉……「はい!」と大きな声で言いましょう。すると、いくら渾身の力で頑張っても、腕は曲がらないのです。ところが、「いいえ」と否定的な言葉を言いながら腕を伸ばすと、腕は簡単に曲がってしまうという、誰でも簡単に試せる実験です。

言葉は、感情や体に多大な影響を与えます。どんな状況でも肯定的な言葉を話すことができるのが理想ですが、表面的な楽観主義になったほうがいいですよ、と言うつもりはありません。ただ、言葉には人の感情や状態に、とてつもなく大きな影響を与える力があるということを理解しておいた方がいいかもしれません。

たとえば、あなたが目の前の相手を傷つけるつもりで「バカヤロウ!」と言ったとしましょう。もちろん、言葉で相手を傷つけることができます。ただ、その言葉は自分の耳も聞いています。つまり、自分自身も傷つけてしまうのです。「人を呪わば穴二つ」という古いことわざがあります。つまり人を呪うような事をすれば、自分にも必ず仕返しが来るという意味ですが、これはあながち嘘ではないということ。あなた自身のためにも、使う言葉には注意を払うべきなのです。

東郷平八郎、原敬、松下幸之助など時代のリーダーたちが心服した偉大な講演家、中村天風はの中でこのように述べています。「いやしくも人を傷つける言葉、勇気をくじくような言葉、あるいは人を失望させるような言葉、憎しみ、悲しみ、ねたみの言葉を遠慮なく言っている人間は、悪魔の加勢をしているようなものだ! そういう人間は、哲学的にいえば、自他の運命を破壊していることを、平気でしゃべっている。だから、なんべんもいうように、人々の心に勇気を与える言葉、喜びを与える言葉、なんとも言えず、人生を朗らかに感じるような言葉を、お互いに話すようにしよう」(「運命を拓く」より)

あなたのポジティブな言葉が、見えない大きな力となって職場の空気を変えるかもしれません。今は思うように結果を出せていない部下も、生き生きと輝きだすことでしょう。


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