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サンドイッチ話法をうまく使おう! 悪い話を伝える時のポイント

サンドイッチ話法をご存知ですか? サンドイッチ話法は、相手に残念なお話を伝える時などに使えます。ここでは相手のダメージをやわらげる具体的なテクニックを中心に、悪い話・マイナスの情報を伝える時の話し方のポイントをご紹介しています。

藤田 尚弓

執筆者:藤田 尚弓

話し方・伝え方ガイド

相手に残念なことを伝える時こそサンドイッチ話法を

サンドイッチ話法で残念な話を相手に伝えよう

サンドイッチ話法で残念な話を相手に伝えよう


ビジネスシーンでは、いい話ばかりでなく残念な話・マイナスの話を伝えなければならない場面もあります。「時間をかけて作ってもらった資料を最初から作り直してほしい」といった比較的軽度なものから、「リストラの告知」といった重大な事柄など、皆さんは悪い話を伝える時、どんなところに気をつけていますか?

絆創膏をはがす時に「一気にはがす方がいい」と感じる人がいたり、「ゆっくり少しずつはがす方がいい」と感じる人がいたりするように、悪い情報も「ハッキリ聞きたい」という人と「オブラートに包んでほしい」という人がいます。

今回は「相手がどちらのタイプかわからない」場合を想定し、ダメージの少ない伝え方をご紹介していきます。同じ情報でも伝え方によって聞く人のダメージは変わります。伝えた人に抱くイメージも変わります。

普段はあまり伝え方の作戦をたてないという人も、残念なことを伝える時には話し方・伝え方のテクニックを使ってみてはいかがでしょうか。

<目次>
 

「サンドイッチ話法」は様々なシーンで使える

悪い話は前向きな言葉で挟んで伝える

悪い話は前向きな言葉で挟んで伝える


悪い情報でも比較的軽度なものには、サンドイッチ話法と呼ばれている伝え方がお勧めです。残念なお知らせを挟むようにして、前後に前向きな言葉を入れるという方法です。

例えば、部下のAさんが、1週間毎日残業をして仕上げた企画が通らなかったことを伝えなければならない場合。

「残念だけど」「せっかく作ってもらったのだけれど」といったクッション言葉をつけて、企画が通らなかったという事実を柔らかく表現しようしますよね。サンドイッチ話法の場合、これに加えて、事実の前後に前向きな言葉をプラスして、悪い知らせを受けた人のダメージを少なくします。

例)
「今回は本当に毎日よく頑張ってくれたよね。残念ながら、今回は企画が通らないという結果になってしまったけれど、この頑張りで身についた企画力は相当なものだと思う。きっと次回はいい結果が出せると期待しているよ」

悪い話ではあるものの、前後の前向きな言葉で挟んだことで印象が変わっているのがおわかりいただけるでしょう。悪い話を伝える場合には、「前向きな言葉+残念なお知らせ+前向きな言葉=サンドイッチ」と覚えてください。

ここで、悪い知らせの前につける言葉は、プロセスの部分で評価できるところを探すようにすると見つかりやすくなります。

例)悪い知らせの前にプラスする「前向きな言葉」
「毎日頑張ってくれている姿を見て、集中力のある人だと感じた」
「熱意を見せてくれたお陰で、部内がいい雰囲気になった」

後につける言葉は、今後に期待するという趣旨の言葉から探すといいでしょう。

例)悪い知らせの後にプラスする前向きな言葉
「今回の頑張りで上がった企画力は、次回はいい結果になると思う」
「熱意を見せてもらえてよかった。今後に期待するよ」

サンドイッチ話法はプライベートでも使えるテクニックです。相手の悪いところを直接指摘してしまうと、残念な気持ちになるだけでなく「そういうお前だって」「そうは言うけど」といった感情的な気持ちになりがち。そんな場面でもサンドイッチ話法を使えば、相手の感じ方をやわらげることができます。同じ情報でも、伝え方によって印象は変わるのです。
 

重大なマイナスの話は「詳細が先、結論は後」

悪い話をするときは、結論を後に

悪い話をするときは、結論を後に


ビジネスシーンで情報を伝える場合は「結論が先、詳細が後」というのが原則です。しかし悪い情報を伝えるシーン、特に重い話をしなくてはならない場合には「詳細が先、結論は後」と、話す順番を逆にして伝えてください。

例)普段の伝え方(結論が先、詳細は後
「C社からの大型案件の受注が決まりました。受注に至った経緯ですが……」

例)重い話の伝え方(詳細が先、結論は後
「景気の低迷で当社のシェアも年々下がっています。会社全体で努力してきましたが今年も△△%減という結果になりました。存続のための最悪の手段をとらなくてはならない状況が迫っています。○○さんには普段から大変努力していただいているのですが……」

「サンドイッチ話法の前半部分を長くする」と覚えるとわかりやすいかも知れません。詳細から話していって結論を相手が想像できるようにすると、突然結論を言われた場合と比べ、聞く側も心の準備ができます。言いづらい話の時、こちらが結論を言わなくても、相手が結論を切り出してくれるケースもあります。

デキるビジネスマンの皆さんは、「結論が先」という報告パターンが身についていると思います。ですが、悪いお知らせにする時だけは「順番は逆」と思い出してください。もちろん、結論の後には前向きな言葉を付け加えるのもお忘れなく。
 

サンドイッチ話法以外にも

悪い情報を伝える場合にはサンドイッチ話法が基本ですが、その後の行動を改善してほしいケースでは変化球を使う方法もお勧めです。責められたように感じると、人間は反応として自分の行動を正当化する理由を探します。そうなると、行動の改善を促しても、文句や批判を言われたように受け取りやすいのです。

そんな時にお勧めなのは、「あなたらしくない」という表現を使って改善を促す方法=ラベリング法です。「本当はできる人なのに」「いつもはできているのに」という伝え方は、相手が行動を変えやすくなると言われています。

例)
× 「あなたのミスで、部全体が責任をとることになりました。今後はこんなことがないよう二重のチェック体制にしてください」
「今回の件では部の全体が責任をとることになりました。こんなミスをするなんて、いつもの○○さんらしくないじゃないですか」

ラベリング法を使う場合も、サンドイッチで前後に前向きな言葉をつけると印象がやわらぎます。

悪い話は、誰でもしたくないものです。しかしながら、相手に同調するばかりではいい関係は続けられません。伝えるべきことは伝え、できる限りよい人間関係は維持したい。そんな時こそ、伝え方のテクニックを使ってみてください。

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