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エンタメ通訳から学ぶ「使える質問力」

世界的な俳優やアーティスト達と仕事をした経験を持つ、通訳の小林禮子さん。今回は、そこで培われた彼女のコミュニケーション術ををお聞きします。

執筆者:立川 亜美

世界的な俳優やアーティスト達の仕事をした経験を持つ、通訳の小林禮子さん。今回は、著名人を相手に仕事をすることで培われた彼女のコミュニケーション術の極意をお聞きします。

通訳のお仕事は、国際会議などを中心にする会議通訳と小林さんのようにジャンルを問わず要人、著名人を相手にするようなエンタメ通訳(小林さんが命名)などがあるそうです。何が起こるかわからないという難しいお仕事のようですが、そんな小林さんからグローバルコミュニケーションに大切なポイントを伺います。


外国人が答えにくい質問

ハリウッドサイン
異文化同士のコミュニケーションだということ意識することがグローバルで必要なこと

ガイド:
小林さんがおっしゃっている「エンタメ通訳」とはどんなものですか?

小林:
何でもやる通訳ということなんですよ(笑)

ガイド:
そうなんですか~(笑) 会議通訳とはどう違うのですか?

小林:
シナリオがないということですね。私の場合は食事でも、どんな場面でも通訳をします。そこでは相手の行動に予測が付かないことばかりです。自分の常識を取っ払わないと仕事が出来ないんですね。相手のことを好きになって考え、相手の価値観を仕事の時には受け入れてあげることも大切です。

ガイド:
大切なことですが、なかなか難しそうですね。
お仕事をしていて「これは変だと」と気になることはありますか?

小林:
質問の仕方です。日本人は質問がうまくないと思いますね。相手が答えられないような質問をしてしまっています。

ガイド:
それは、どういうことですか? 質問するのは難しいですが……。

小林:
日本人がよくやってしまうことは、相手からの「質問」に答えず違う会話をして、答えたつもりになっていることです。まず答えなければならない「答え」をしてないという意味です。
たとえば「○○さんによろしく言ってね」と言われたときに、本来なら「はい、伝えます」と答えなければいけませんね。それを「あ~○○さんにね。彼は忙しいらしいね」と言ってしまうことです。

ガイド:
ああ、そういうことってありますね~。やり過ごしてますね。

小林:
日本人は、質問にきちんと答えてない人が多いですね。まずは、相手にきちんと答えてから次の話をする、ということがうまく出来てないと思います。質問に対して「YES」なのか「NO」なのかを答えているか、確認したほうがいいです。それは相手へ質問する時も、自分が答えるときも、です。

ガイド:
なるほど~。そういえば「あれ? 答えてもらったっけ?」と思いながら、流されて違う話しをしていた、ということもありますね。

小林:
日頃から「質問」に対して「答える」を訓練しておくと、的確な質問が出来るようになると思いますよ。外国人とのコミュニケーションもうまくなります。


次のページで、うまい質問の仕方を具体的に伺っていきましょう。
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